自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
★★
著者: 魚住直子
出版社: 講談社
おとなしいけれど、実は案外戦略的な篠崎が主人公。彼は、高校入学後、元不良の大和田と一緒にいたとき、野球部とバスケ部の人たちに入部を迫られ、それを断るために園芸部に入部します。いつの間にか2人は意気投合。段ボール箱をかぶらないと外に出られない庄司という少年が偶然通り掛かったので引っ張り込み、彼らは3人で植物を育て始めます・・・
のほほんとした軽い青春小説。
今回は非常に楽しめました。段ボールを被った庄治という人と彼に対する主人公のツッコミが愉快なのです。安部公房の『箱男』を連想しますが、こちらの場合はそこに深い意味があるというわけではありません。アクセントのようなものです。
しかし軽いだけではありません。魚住直子本来の泥臭さというか、日常の中に歴然と存在するいじめや差別などへの視線も感じられます。みなそれぞれがそれなりの物を背負っているということを気付かせてくれます。
台詞が状況説明みたいになっていてちょっと自然ではない気もしましたが、物語の運び方は非常に巧くなっています。魚住直子が世間的な普通の青春小説に歩み寄ったとも考えられるけど、浮き沈みする気分を切り取り、浮く部分を上手に切り取った今までの作品とは、少し違うような気がします。もう少し明るいです。希望があります。
厳しい環境にある人が主人公ではないから、なのかなぁ。
自森人読書 園芸少年
著者: 魚住直子
出版社: 講談社
おとなしいけれど、実は案外戦略的な篠崎が主人公。彼は、高校入学後、元不良の大和田と一緒にいたとき、野球部とバスケ部の人たちに入部を迫られ、それを断るために園芸部に入部します。いつの間にか2人は意気投合。段ボール箱をかぶらないと外に出られない庄司という少年が偶然通り掛かったので引っ張り込み、彼らは3人で植物を育て始めます・・・
のほほんとした軽い青春小説。
今回は非常に楽しめました。段ボールを被った庄治という人と彼に対する主人公のツッコミが愉快なのです。安部公房の『箱男』を連想しますが、こちらの場合はそこに深い意味があるというわけではありません。アクセントのようなものです。
しかし軽いだけではありません。魚住直子本来の泥臭さというか、日常の中に歴然と存在するいじめや差別などへの視線も感じられます。みなそれぞれがそれなりの物を背負っているということを気付かせてくれます。
台詞が状況説明みたいになっていてちょっと自然ではない気もしましたが、物語の運び方は非常に巧くなっています。魚住直子が世間的な普通の青春小説に歩み寄ったとも考えられるけど、浮き沈みする気分を切り取り、浮く部分を上手に切り取った今までの作品とは、少し違うような気がします。もう少し明るいです。希望があります。
厳しい環境にある人が主人公ではないから、なのかなぁ。
自森人読書 園芸少年
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