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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  森奈津子
出版社: 早川書房

  性愛SF短編集。『からくりアンモラル』『あたしを愛したあたしたち』『愛玩少年』『いなくなった猫の話』『繰り返される初夜の物語』『一卵性』『レプリカント色ざんげ』『ナルキッソスの娘』『罪と罰、そして』収録。

  『からくりアンモラル』
  初潮を迎えた姉・秋月は、妹・春菜になつくロボット・ヨハネを見ていらっとしてしまい、ある悪戯を思いつきます・・・

  だいたい表題作『からくりアンモラル』と似たような短編ばかりが集められています。

  作品内にはSF的な設定がたくさん取り入れられているけど(タイムスリップとか、アンドロイドとか)、全てがエロに結びついていきます・・・ SFというよりは官能小説ではないかと思うのですが、一応は『からくりアンモラル』もSF小説なのかも知れません。様々な物を受け入れることができるのがSFというジャンルなのだから。

  母と子、父と子の関係を描いた作品も中には入っています。最後になって意外な事実が判明する『ナルキッソスの娘』などはなかなか良いなぁ、と感じました。

  しかし、全体的には「少女」というものが最も重要なテーマとなっています。森奈津子はもともと少女小説作家だそうですが、桜庭一樹といい、「少女小説」を書いてきた人たちはやたらと少女にこだわります。だからこそ少女作家になれるか。森奈津子は、男を除外した少女だけの楽園みたいなものを繰り返し描きます。だから、レズビアン小説のように見えるけれど、そうとも言い切れない気もします。そもそも、少女にとって男は必要がないこともあるのかも知れない。


自森人読書 からくりアンモラル
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