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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★

著者:  大江健三郎
出版社: 新潮社

  『死者の奢り・飼育』は大江健三郎の短編集。『死者の奢り』『他人の足』『飼育』『人間の羊』『不意の唖』『戦いの今日』収録。

  『死者の奢り』
  ある時、大学生の「僕」は、他よりも少しだけ多くお金を稼げるバイトにありつきます。それは、大学構内の屍体処理室の水槽に浮き沈みする死体を扱う仕事でした。「僕」は、同じく大学生の女性と、あとは2人を監督する男とともに死体を整理し、運んでいくのですが・・・ 大江健三郎の出世作。

  『他人の足』
  物語の舞台は脊椎カリエスの子ども達が集められた病院。脊椎カリエスの子ども達は、閉鎖的な環境の中にいます。看護婦たちがセックスしてくれるし、ほとんど困ることはない、といっても良いほどなので、いつでもこそこそとした卑猥な笑いばかりを浮かべていたのですが、闖入者が現れ・・・

  『飼育』
  墜落した戦闘機には黒人の兵士が乗っていました。村人たちはその兵士を飼おうとして村に引き止めます。村の少年は兵士に近づき、彼と向き合ううちにじょじょに変化していきます。芥川賞受賞作。

  『人間の羊』
  主人公は、バスの中で外国人の脅しに屈してすぼんを脱がされ、屈辱を感じている学生。その後、彼はその差別を訴えようと叫ぶ教員につきまとわれることになります。

  『不意の唖』
  ある田舎の村に駐留軍が現れます。外国兵たちはみんな立派なのに、通訳は不思議にみすぼらしくみえました。そのためか、川で遊んでいたら、通訳の靴が消えました。通訳は怒りだし、「これは駐留軍に対する侮辱だ」と村人たちを脅します・・・

  『戦いの今日』
  朝鮮戦争が起き、日本には多くの米兵が駐留することになりました。その中で、一人の白人兵士が脱走します。それを匿った兄弟、および脱走兵とつきあっている日本人の娼婦はどうなるのか?

  難解とよく言われますが、硬質な文体は確かにとっつき難くてなんというか狭苦しいけど、テーマと合致しているし、物語自体は強烈だから飽きることはないです。そして、扱っているテーマ自体は古びていない気がします。閉鎖的で抑圧に満ちた共同体と、それが生み出すいかんともしがたい閉塞感のようなものがきっちりと描写されています。物語自体強烈だから飽きることはないです。


自森人読書 死者の奢り・飼育
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