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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★★

著者:  G・ガルシア=マルケス
出版社: 新潮社

  まだマコンドが小さな街だった頃、ふらりと現れたジプシーの賢人・メルキアデスと仲良くなったホセ・アルカディオ・ブエンディアは、優れた指導者ではなく錬金術などに入れ込む変人になってしまいます。ジプシーたちは強力な磁石や望遠鏡や空飛ぶ絨毯を次々と持ち込みますが、ホセ・アルカディオ・ブエンディアの妻ウルスラはそれらには目もくれず、アルカディオ、アウレリャノ、アマランタ、拾い子レベーカといった子どもたちを育て上げました。アルカディオはピラル・テルネラに夢中になりますが子どもができたと知ると失踪。一方、アウレリャノは内向的で父親とともに引きこもり、様々な研究に精を出しますがレメディオスという少女に惹かれます。アマランタ、レベーカはピエトロ・クレスピをめぐって反目しあいますが・・・

  マコンドという地を拓き、100年にわたって繁栄し、近代化の狂奔の中で腐敗し、消え去っていくブエンディア一族の物語。

  世界文学と絶賛されているけれど、小難しいことはなくてむしろ読みやすいし、物凄く愉快です。同じような名前の人がやたらと多いので大混乱しますが。

  要約不可能。蜃気楼の村マコンドではなんでも起こります。空飛ぶ絨毯まで持ってくるジプシーたち。チョコを飲んで浮遊する神父。内向的で、未来を予測する少年アウレリャノ。盲目になっても匂いで全てを把握する気丈な母親ウルスラなどなど変人奇人が溢れています。

  最初のうちは神話的なのですが、じょじょに生々しくなっていきます。少年の頃は内向的だったアウレリャノが自由党側に属し、政府軍に対して何十度も叛乱を起こすようになります。次々と様々な人があっけなく、時には無惨に死んでいきます。処刑。惨殺。暗殺。虐殺なんでもあり。そして、バナナ会社が街に侵入してきます。マジックリアリズムの手法でもってラテンアメリカそのものを表現したといわれる理由が分かってきます。

  それにしても物凄い、というしかないです。最後の辺りには著者自身が少しだけ登場。そしてラストでは物凄い真相が炸裂。登場人物たちの一生は何であったのか、と考えさせられるし、悲哀に満ちています。孤独にとりつかれた一族の歴史自体が消え去っていく・・・


自森人読書 百年の孤独
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