忍者ブログ
自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
[1197] [1196] [1195] [1194] [1193] [1192] [1191] [1190] [1189] [1188] [1187]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『いとしい』
私(マリエ)は、母のカナ子、姉のユリエとともに生活しています。二人目の父が死んだ後、母の手をかくためにチダさんが家を訪れるようになるのですが、いつしかチダさんも来なくなります。その後、私は女子高の教員になり、ユリエは、オトヒコという太った男を愛するようになり、家を去っていきます。私の生徒の一人ミドリ子には紅郎という兄がいました。私は紅郎と愛し合うようになります。一方、ミドリ子は鈴本鈴郎に迫られ・・・

不思議な恋愛小説。

やはり川上弘美の文体は柔らかいです。そして、気持ち悪いほど温かいです。だからか、不思議な出来事、不可解な出来事、不気味な出来事などが挟まれているのに、何が正常なのか分からなくなってきます。

好きというのはどういうことなのだろう、と問うているのだと読んでいて感じました。人を好きになるということは、決して確実なことではないみたいです。

変わっていく、捉えられない小説を目指しているのかも知れないと感じました。

意味を見出そうとするとかえって混乱するし、困ることになります。単にでたらめなだけのような気もします。しかし、だからこそ不確定性を持った面白い小説になっているのかも。まぁ、しっかりとした文体で分析するのは非常に難しいです。

幾つもの御伽噺が挟まれています。とくに、オトヒコに関する御伽噺は秀逸。嘘なのかほんとなのか分からないです。嘘だというふうに本人は言っていますが。

ちょっと飽きてくるのですが、それでも奇怪で楽しいです。


読んだ本
川上弘美『いとしい』

読んでいる本
ジョージ・オーウェル『動物農場』
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ウェブサイトhttp://jimoren.my.coocan.jp/
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
最新CM
[07/03 かおり]
最新TB
バーコード
アクセス解析
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright © いろいろメモ(旧・自由の森学園図書館の本棚) All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]