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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  斎藤英喜
出版社: 講談社

  斎藤英喜『読み替えられた日本神話』は、とても興味深かったです。明治維新のとき、大日本帝国によって仏教はめちゃくちゃにされました。廃仏毀釈というのですが、明治新政府が、神道と仏教を分けて仏教を徹底的に弾圧したのです。歴史的に価値ある寺院などが徹底的に破壊され、天皇家のしきたりから仏教に関連するものは注意深くはぶかれました。日本文化の破壊といってもいいような蛮行でした。

  しかしそもそも歴史をたどってみると、中世には神道と仏教とは融合していて、日本の神話にインドや中国の神々が登場するような時代があったそうです。仏教を排斥するというのはそもそも出来ないはなしなのではないか、と僕は思いました。例えるならば、自分の右腕を切り落とすようなものではないかなぁ・・・

  平安時代に『日本書紀』がよく読まれていた、というのは新鮮でした。神話にも、歴史があって、変容があるんだなぁ・・・ 神話を用いて、自分の権威を強めようとする人たちがいた、というはなしも面白かったです。自分のためには神すらも利用するのか・・・

  最後らへんに宮崎駿の映画のはなしにまでおよんでいて面白かったです。斎藤英喜は、『もののけ姫』について「自然と科学の対立などという平板なストーリーうんぬん・・」と評していて、あまり良く思っていないようです。僕は、ジブリの映画の中でもけっこう好きだけどなぁ、「もののけ姫」は。むしろ『風の谷のナウシカ』の方が消化不良じゃないのかなぁ・・・

  まぁとにかく日本神話の歴史を追って知ることができてとてもためになります。


自森人読書 読み替えられた日本神話
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ナウシカ/
ナウシカ実は原作を読んでいないのですが、もう亡くなった安原顕(ヤスケン)という方がやっていたラジオの読書会のコーナーで、この世がもうどうしようもなくダメで、神様?か何かがナウシカに「こっちに来なさい、光の世界へ」、みたいなことを言う場面があるらしいんだけど(もちろん映画には描かれてない)、ナウシカは断るらしい。「人間は、ダメダメかもしれないけど、でもときどき光る、それがいいんだ。」て、光の方に行くことを拒んだとか。又聞きであれですが、それを聞いただけで原作はいいなあと思いました(笑)。ヤスケンは図書館本棚にあるかしら。すごくいい本は「大江図書館」に隠されてたりします(内緒ね)
むじ URL 2009/05/12(Tue) 編集
Re:ナウシカ/
ヤスケンの本は、どうだろう・・・ 見たことないです。
『ナウシカ』は、映画だけでなくて原作も読みました。自森の図書館にも揃っているし、自分の家の本棚にもあったので。映画とは全然違うし、面白くてびっくりしました。黄金色の絨毯では終わらなくて戦争とかも描かれていて凄かった・・・
「大江図書館」か・・・。
 【2009/05/12】
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