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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★★

著者:  森絵都
出版社: 講談社

  主人公はさくらという中学生の少女。彼女はあることをきっかけに親友、梨利と仲違いしてしまいました。その後、梨利は危ない犯罪に手を出していきます。梨利のことが好きな勝田という少年は、それを心配し、さくらを追い回して「梨利を助けてあげてよ」と懇願。

  一方、さくらは、智さんと出会います。智さんは、自室で全生物をのせることが可能な宇宙船の設計図を書こうとしている青年。彼の部屋は、全てのものから解き放たれた安全な隠れ家でした。さくらは智さんの家に入り浸ります。そんなある日、「真の友 四人が集いし その時/月の船 舞い降り 人類を救う」という古文書を発見し・・・

  あまり好みの作品ではなさそうだなぁ、と思いつつ手に取りました。

  しかし、面白かったです。全体的に、少しエキセントリックな雰囲気が漂っています。作品そのものもまだ綺麗に整理されてはいないように感じられます(後の『永遠の出口』などと読み比べるととくに)。しかし、その不安定さが登場人物たちの心情の中とマッチしている気がします。

  辛い現実(自分の状態とか、友達の犯罪とか)とファンタジックな空想が絡み合い、ぐちゃぐちゃになりつつも、危うい均衡を保っています。

  そして、最後には綺麗に物語が収束していきます。辛いことや哀しいことも(決して心地よいものではないし、良いものでもないけど)、その地点にたどり着くためには必要だったのかも知れない、と思わされます。不安定だけど、そこが面白いと思える青春小説。


自森人読書 つきのふね
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