自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
森見登美彦の連作短編集。『きつねのはなし』『果実の中の龍』『魔』『水神』収録。
『きつねのはなし』
主人公は、古道具屋「芳蓮堂」で働いています。主人・ナツメさんから届け物を託され、着流し姿で生気のない無精髭の男・天城をたずねます。天城は、ぞっとさせられる非常に不気味な男なのですが・・・
『果実の中の龍』
大学一回生の時、ある研究会で先輩と知り合います。先輩は下宿にある図書室にいれてくれるのですが、半年後に去っていきます。去り際に黒革のノートと、彼女が古道具屋の「芳蓮堂」で買って先輩にプレゼントした〈龍の根付け〉を僕に送ってくれるのですが・・・
『魔』
私は家庭教師のバイトを先輩から引き継ぎ、西田酒店へいきます。そして、そこで直也・修二兄弟に出会います。彼らは、剣道好きの秋月や、部道具屋の娘・夏尾らと友達でした。ある日のこと、通り魔事件が起きます。ケモノが現れたのか。
『水神』
祖父の通夜が終わり、父、伯父二人、私は祖父の前で酒宴を開きます。彼らは様々なことを思い出していくのですが、そこには、いつも水が絡んでいて・・・
幻想小説。
これまで、鬱憤を抱え込んだダメな大学生を描いてきた森見登美彦が、『きつねのはなし』では幽玄な世界を描いています。端正な文体と朧な恐怖が良いです。なんとなく、内田百間を連想します。森見登美彦は凄い、と感じます。
謎が明かされることはないのですが、そこが良いです。日本のマジックリアリズムという言葉がぴったりではないか。
読んだ本
森見登美彦『きつねのはなし』
読んでいる最中
ジョン・ファウルズ『魔術師 上』
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