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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  万城目学
出版社: 角川書店

  「神経衰弱」というあだなをつけられた「おれ」は周囲との軋轢の結果、一時的に大学を離れ、2学期の間だけ奈良の学校で高校生の子供達を教えることになります。ですが、最初の日から堀田イトという生徒が遅れてきて、しかも自分をからかうような言動を繰り返しました。そこから、戸惑いの毎日が始まります。そうしているうちにやってきた10月。おれは突如として鹿に話しかけられます。「目」を取り戻さないと日本滅亡の危機だ、と脅かされたのです・・・

  のほほんとしたファンタジー小説なのかなぁ。

  鹿やねずみが喋りだすし、奇天烈な設定が存在しています。。なので、ファンタジー小説ということでいいのかなぁとは思うのですが、青春小説ではないか、とも感じます。いろんなものが含まれた小説ということでいいのかなぁ。

  鹿の頭にされてしまう主人公が、おかしすぎます。面白いです。主人公の周囲にいる、個性的な同居人たちもいいなぁと思わされます(下宿先のばあさん、とか)。あとは悪い人も登場するんだけど、その人も奇矯な性格なので、憎めません。愉快です。

  『鴨川ホルモー』の方がインパクトはありました。ただし、こちらの方がどことなくとぼけていて楽しい気がします。全体的に、『坊っちゃん』を思わせる描写や小さな仕掛け(名前やあだ名が一緒)があって面白いです(そもそも主人公が地方の学校へ赴く、という最初の展開からして一緒)。

  ドラマ化もされています。そちらも良かったです。かなりたらたらしていて、やたらと主人公が情けなかったけど、そこがおかしかった。

  2008年第5回本屋大賞ノミネート作(8位)。直木賞候補作。


自森人読書 鹿男あをによし
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