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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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『プレーンソング』
競馬を気に入っているぼくという男が主人公。ぼくは最近、子猫に惹かれるようになり、餌をあげるようになります。しかし、なかなか寄ってきてはくれません。子猫ではなく、アキラ、よう子、島田といった自主映画作りに取り組む若者たちがぼくの家へ現れます。彼らとの日々は非常にたわいもないものでした。最後、彼らは、アキラが運転手として連れてきたゴンタとともに海へ赴きます・・・

様々な人間たちと、その関係を描いた作品。保坂和志のデビュー作。

四方田犬彦の解説がとても良いです。書いてあることがいちいち最もなので、とくに付け足すことがないです・・・

なにげない日常を描いた小説のように見えるけれど、決して普通の小説ではありません。個々のキャラクターや物語の粗筋ではなくて、場の空気や人間同士の関係が小説の中心に据えられているからです。非常に挑戦的なのではないか。

「小説家を目指しながらそれを諦め、映画作りに専念するゴンタという人物の思考・視点が、作者の思考・視点と一致している」と解説者は指摘していますが、全く同じことを感じました。普通の映画というものは喋る人を中心にして撮ります。しかし、そうではなくてそれを聞く側の動きや、全体の空気や些細な部分こそが肝要なのではないか。


今日読んだ本
保坂和志『プレーンソング』

今読んでいる本
西村賢太『どうで死ぬ身の一踊り』
レイ・ブラッドベリ『華氏451度』
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