自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
大江健三郎、初期の頃の作品をだーっと読みました。
とにかく売れない、「ノーベル賞受賞作家」とつけても売れない、と評判の大江健三郎。まぁ、子どもが生まれた後は、作風が変わってちょっとね・・・ という人の声をよく聞きます。確かにそうかも知れない。
だけど、初期の作品はやっぱりすごい、と思います。
『死者の奢り』は、大学内にあるアルコール漬けの死体を別の場所に運ぶために雇われた学生のはなし。もうこの『死者の奢り』がまずもって凄い。
大江健三郎を一躍有名にした作品。
『他人の足』は、脊椎カリエスの子ども達が集められた病院が舞台。
彼らは、完全に閉鎖的で、自足した生活を送っています。看護婦たちがセックスしてくれるし、ほとんど困ることはない、といっても良いほど。いつも、こそこそとした卑猥な笑いばかりが満ちていました。
しかしそこへ1人の「闖入者」がやってきます。彼は、社会を知る学生でした。学生は、みんなを率いて外の世界に目覚めさせようとします。その結果、病室の状況はどんどんと変わっていくかに見えましたが・・・
『飼育』は、芥川賞受賞作。
墜落した戦闘機に乗っていた黒人の兵士を、村人たちが「飼う」と言う物語。語り手は、閉鎖的な村の、ある少年。
村の少年たちは、その黒人と仲良くなっていきます。
しかし、最終的には、「遠くの戦争」が、全てを壊してしまいます。
『人間の羊』は、バスの中で外国人の脅しに屈してすぼんを脱がされてしまい、屈辱を感じた学生が主人公。
でも、学生の苦しみはそれだけでは終わりません。学生は、傍観者である教員から一緒に「この事実を暴き、外国人を訴えよう」といわれ、逃げます・・・ 残酷な傍観者の姿が印象的です。
『不意の唖』は、ある田舎の村に、駐留軍がやってきた時に起きた出来事。外国兵たちはみんな立派なのに、通訳は不思議にみすぼらしい。だからなのか、あるとき、川で遊んでいたら、通訳の靴が消えていました。
すると通訳は怒りだし、「これは駐留軍に対する侮辱だ、ふざけるな」と村人たちを脅します・・・
『戦いの今日』は、朝鮮戦争が起きた頃の日本の物語。
ある白人の脱走兵と、それを匿った兄弟、および脱走兵とつきあっている日本人の娼婦の物語。
1番長いんじゃないかなぁ、多分。
今日読んだ本
大江健三郎『死者の奢り・飼育』
今読んでいる本
遠藤周作『イエスの生涯』
ヘミングウェイ『老人と海』
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