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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★

著者:  北野勇作
出版社: 徳間書店

  かめくんは、「木星戦争」に投入されるために開発されたレプリカメのはずなのですが、クラゲ荘に住み、中州中央図書館に通い、巨大カメに乗ってザリガニと戦い、猫を気にかけ、りんごを愛し、穏やかな日々を過ごしていました。『かめくん』は、そんなほのぼのとしたかめくんの日常を描いています。ちょっととぼけた雰囲気をまとったSF小説。

  表紙がまず良いです。各章のタイトルも最高。
    第一章  模造亀(レプリカメ)
    第二章  機械亀(メカメ)
    第三章  亀記憶(カメモリー)
    第四章  亀手紙(カメール)
  ってな感じ。

  そして中身も非常に面白かったです。かめくんのほのぼのした雰囲気がまず良い、と感じました。そして、現実と物語が互いに侵入しあっている世界と、かめくんの哲学と、擬音語の多用と、随所に仕込まれたパロディと、そしてほのかな物悲しさといったものが混じりあっていて面白い物語を形作っています。ほのぼのしているのに、哀しくて、滑稽で、シュール。

  かめくんの哲学を読んでいて、この作品は確かにSFだ、と感じました。

  第22回日本SF大賞を受賞。


自森人読書 かめくん
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