自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
著者たちは、中国文学を総合的に考察していこうとします。「第1章 中国文学の性質」「第2章 詩文」「第3章 文学評論―「読むこと」を中心にして」「第4章 詞」「第5章 戯曲」「第6章 小説」「第7章 文学と書画」「第8章 古典文学と現代文学」から構成されています。
多くの情報が圧縮されています。しかし、よく整理されているので迷うことはありません。
読んでいると、中国では、詩文が文学の中でもとくに高等なものとみなされていたということが分かります。だから、中国文学を語る時、まず欠かせないのは詩文です。とくに唐代の李白と杜甫が最高と言われます。
しかし、詩文の他に、多くの文学も生まれました。戯曲の発展についてつづられている部分は面白かったです。戯曲というものが中国でも隆盛だった時期があったということを全く知りませんでした。
それから、小説も下等なものとみなされていたそうです。しかし、民衆が発展させていき、『西遊記』『三国志演義』『水滸伝』『金瓶梅』などが生まれたのだそうです。文語体の尊重は、中国古代からの伝統なのかと感心しました。しかし、近代以前はどこでも文語体が第一とされていたかも知れません。
『中国文学を学ぶ人のために』を参考にしながら、個別の作品を読んでいきたいと思います。
読んだ本
興膳宏:編集『中国文学を学ぶ人のために』
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