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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★

作者:  法月綸太郎
出版社: 講談社

  ニューヨークの怪盗グリフィンは「あるべきものを、あるべき場所に」という信条を持ったちょっとおかしな盗みやでした。彼は、メトロポリタン美術館に所蔵されていたゴッホの自画像を盗んでほしいと依頼されます。もちろん、ただの盗みはお断りといったのですが、依頼者はメットにあるのは贋作だと言いました。さて、怪盗グリフィンはどうしたかというと・・・

  講談社ミステリーランド。若い人向けらしいです。

  怪盗、美女のパートナー、謎の男、大統領、将軍、大佐といった人たちが登場します。著書らしからぬ軽快で愉快な冒険小説。とにかく読みやすいです(字も大きいし)。でも最後のぐちゃぐちゃした(緻密ともいう)推理の過程の説明はやっぱり法月綸太郎らしいなぁ、と感じました。

  人種差別や政治(9.11テロによって云々という説明があったり)についてのはなしも挟まれたりして、予想以上に読み応えはあります。

  法月綸太郎は、「本格ミステリ」に囚われ(こだわり)、悩む作家として知られています。けれど、『怪盗グリフィン、絶体絶命』を読むと、ハメをはずした小説も書けることが分かります。もしかしたらそういう軽めのはなしの方が面白いんじゃないか、と思ってしまいました。そのような感想は、著者本人にとっては不本意かも知れないけど。

  さらっと読める作品。


自森人読書 怪盗グリフィン、絶体絶命
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