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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★

著者:  中田永一
出版社: 祥伝社

  短編集。『百瀬、こっちを向いて。』『なみうちぎわ』『キャベツ畑に彼の声』『小梅が通る』収録。

  『百瀬、こっちを向いて。』
  高校1年生のモテない男の子が主人公。彼には宮崎瞬という兄貴のようなかっこ良い先輩がいました。宮崎瞬は美人の神林先輩とつき合っていたのですが裏では百瀬という女の子ともつき合っていました。宮崎瞬は、百瀬とつき合っていることを他人にばれないため主人公に「百瀬とつき合っているふりをして欲しい」と頼んできます・・・

  『なみうちぎわ』
  高校生になったばかりの私が主人公。私は、不登校の男の子の家庭教師になります。2人はだんだんと仲良くなってくるのですが。ある日、私は入り江に浮かぶ男の子を見つけて海へ飛び込み、おぼれてしまいます。そして・・・

  某作家(というか乙一)が別名義で出版した恋愛短編小説集だそうです。

  甘酸っぱいというか、淡いというか、恋愛と呼べるか呼べないか分からない瀬戸際にある微妙な感情をさらりと表現した作品群だなぁ、と感じました。さっぱりとしていて読みやすいのに、ぐっときます。バリエーションも豊かで、小説としてのつくりが巧いです。

  なんというか、褒めるしかない小説です。かえって、その巧みすぎる部分が鼻につく、ということもできるかなぁ。


自森人読書 百瀬、こっちを向いて。
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