自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
★★★★
著者: レイ・ブラッドベリ
出版社: 早川書房
物語の舞台は、焚書が行われ、日常的に戦争が行われている近未来の世界。多くの人はテレビやラジオなどの感覚的なメディアに入り浸り、何も考えずに日々を過ごしています。そして禁止された本などには見向きもしませんでした。主人公ガイ・モンターグは、焚書官/ファイアマンとして本を燃やすことを仕事としています。ですが、クラリスという感受性豊かな少女と出会い、自分の仕事の意味を疑い始めます。それを仲間から裏切りと看做され・・・
書物に関するSF小説。
基本的に、詩的で感傷的で幻想的。イメージを散りばめるようにして文章が進んでいくのでけっこう読みづらいのだけど、読み進めていくうちに引き込まれていきます。バックにはいつでも暗闇があり、それでいて場面場面は色彩豊か。非常に想像力を刺激されます。
少ししか登場しませんが、クラリスの存在は鮮烈です。
華氏451度というのは紙が自然発火する温度。主人公は焚書に反対するようになります。その主張には共感します。今、「焚書」が大っぴらに推奨されることはありません。しかし、禁止されずとも電子化がすすみ、本が読まれなくなっています。実質的には本が燃やされているのと同じではないかと感じます。
『華氏451度』に登場する老人たちのように、一人ひとりが役割を受け入れ、その上で過去の書に学べばいいのか。しかし、パラパラとページをめくるという行為自体が古いものとなりつつある気もします。本当にどうすればいいのか分からない・・・
古臭い部分もないわけではない気もしますが、テーマ自体は古びていないし、むしろブラッドベリが問題にした焚書というものは拡大しているのではないか。非常に考えさせられます。
自森人読書 華氏451度
著者: レイ・ブラッドベリ
出版社: 早川書房
物語の舞台は、焚書が行われ、日常的に戦争が行われている近未来の世界。多くの人はテレビやラジオなどの感覚的なメディアに入り浸り、何も考えずに日々を過ごしています。そして禁止された本などには見向きもしませんでした。主人公ガイ・モンターグは、焚書官/ファイアマンとして本を燃やすことを仕事としています。ですが、クラリスという感受性豊かな少女と出会い、自分の仕事の意味を疑い始めます。それを仲間から裏切りと看做され・・・
書物に関するSF小説。
基本的に、詩的で感傷的で幻想的。イメージを散りばめるようにして文章が進んでいくのでけっこう読みづらいのだけど、読み進めていくうちに引き込まれていきます。バックにはいつでも暗闇があり、それでいて場面場面は色彩豊か。非常に想像力を刺激されます。
少ししか登場しませんが、クラリスの存在は鮮烈です。
華氏451度というのは紙が自然発火する温度。主人公は焚書に反対するようになります。その主張には共感します。今、「焚書」が大っぴらに推奨されることはありません。しかし、禁止されずとも電子化がすすみ、本が読まれなくなっています。実質的には本が燃やされているのと同じではないかと感じます。
『華氏451度』に登場する老人たちのように、一人ひとりが役割を受け入れ、その上で過去の書に学べばいいのか。しかし、パラパラとページをめくるという行為自体が古いものとなりつつある気もします。本当にどうすればいいのか分からない・・・
古臭い部分もないわけではない気もしますが、テーマ自体は古びていないし、むしろブラッドベリが問題にした焚書というものは拡大しているのではないか。非常に考えさせられます。
自森人読書 華氏451度
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