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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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最近読んだ本。
桜井哲夫『手塚治虫-時代と切り結ぶ表現者』
加地伸行『「論語」を読む』


桜井哲夫が、手塚治虫と三島由紀夫を似ている(父権的なものへの嫌悪)と評していたのですが、それは絶対に違うだろうと思いました。手塚治虫は、戦争を嫌い、戦後民主主義の先等に立ち、戦後民主主義の薄っぺらい部分すら乗り越えたころに立っていた凄い人だ、と僕は思っています。それに対して三島由紀夫は戦争の「わくわく感」に勝てず、そして日常に耐え切れず、自滅した作家といわれます。全く正反対ではないのかなぁ。

『「論語」を読む』も面白かったです。ただし、加地伸行流の解釈というのがいろんな部分ににじみ出ていて、入門書ではないような気がしました。もう少し一般的に視点にたったものと比較すると面白いかも知れない。

「為政者と庶民は分け隔てられるべき」という論語の主張があります。それに関して、加地伸行は「庶民は為政者によって導かれ、為政者に憧れるものなのだ、器の小さい庶民が重い責務を背負わされたら、結局それに耐えられられぬ、ささやかな幸せがあれば良いのだ」というようなことを主張します。「支配者の支配を脱しないと搾り取られる」と叫ぶ思想家(社会主義者のことだろう)は、庶民がささやかな幸せだけで充分だといっているのに、それを見ないでいるのは非現実的だ、というようなことを言っています。社会主義嫌いの人なのか・・・

ささやかな幸せは、いつの時代も権力者に踏みにじられるから、みんなの力でそれを守ろうと言うのが民主主義なのだけど。加地伸行は、そんなのは理想論・幻想に過ぎないと思っているようです。(表立っては言わないけど。)理想だからこそ実現を目指すべきなのではないだろうか、と思いました。青臭いことを言っているのかも知れないけど。

今読んでいる本。
『生きるための101冊』はゆったり読んでいくつもりなのでかまわないのですが、『高野聖』には苦戦しています・・・ 読みづらくて全然読み進まない・・・
泉鏡花『高野聖』
鎌田慧『生きるための101冊』(再読)
都築卓司『タイムマシンの話』
田中裕二、太田光、伊勢崎賢治『爆笑問題のニッポンの教養 平和は闘いだ 平和構築学』
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