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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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著者:  湯浅誠
出版社: 岩波書店

  今、日本は、うっかり足をすべらせたら、すぐさまどん底の生活にまで転げ落ちてしまうような「すべり台社会」になってしまったと著者は指摘します。そして具体的なデータを挙げつつ、貧困問題を多角的に見ていこうとします。しかし、机上の空論ではありません。具体的な事例が数多くあげられています。窮状に陥った人たちのことが把握されています。もやいの代表者として、困っている人たちに寄り添い、実際に活動している湯浅誠の言葉だからこそ説得力があります。

  著者は、多くの事例をあげ、社会で考えていかなければ貧困問題は解決しないのだと明確に示します。説得力があります。

  とくに特徴的なのは、「溜め」という言葉です。

  たとえば、ホームレスの人たちがホームレスになってしまうのは金銭が得られないからではない、と湯浅誠は指摘します。そして、貧困状態に陥るとき、その人に欠けているのは金銭だけではなくて、溜めなのだと具体的に明らかにしていきます。溜めとはその人の持ち物や蓄えです。目には見えないものもあります。たとえば、お金は溜めだし、人間関係も溜めだし、会得した技術だって溜めです。そして、そういったものを失うことこそが貧困なのだと明確にするわけです。

  貧困問題を考えるとき、役に立ちます。多分、土台になるのではないか。

  貧困を指摘するだけでなく、そこから脱出するための方策を示し、それを実行に移そうとしているところも良いです。具体的な行動が伴っているのです。

  第8回大佛次郎論壇賞受賞作。

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自森人読書 反貧困―「すべり台社会」からの脱出
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