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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★

著者:  田中耕作
出版社: 佐賀新聞社

  これは読むのに根気がいるなぁ、と思いました。「物語」になっているわけではなくて、いろんな資料を引用しつつ、幕末の鍋島佐賀藩についてを見ていくものだからです。だけど佐賀藩に興味を持つ人にとっては、宝物みたいな価値を持つと思います。とにかくしっかりとまとめられています。

  僕は、幕末を語る上で、佐賀藩のことを欠かすことはできないと考えています。幕末のこととなると、とにかく薩長・つまり薩摩・長州(長門)藩ばかりに目が行きがちです。ちよっと詳しく知っている人でも、坂本竜馬・板垣退助らの出身の土佐藩や、白虎隊の会津藩まででおしまいじゃないかなぁ、と感じています。

  だけど、幕末・明治初期に、雄藩と呼ばれ、大きな勢力を握った藩は4つ。「薩長土肥」、すなわち薩摩・長州・土佐・肥前(佐賀)です。それなのに、どうして佐賀藩だけは脚光を浴びないんだろうなぁ・・・ なんだかマニアックなはなしになってしまって、誰も読んでくれなさそうな感じになってきた・・・

  幕末・明治初期に活躍した佐賀藩出身の人というのは、大勢います。誰でも知っていそうな有名な人を挙げると、大隈重信(内閣総理大臣・現在の早稲田大学の創設者)、江藤新平(司法卿・「佐賀の乱」で刑死)などがいます。その他、政治家・軍人ともに大勢輩出しています。

  薩長のような本流とは違って、ちょっと違う立場から、かといってまったくの部外者という訳でもなく、内側にうまく滑り込みながらいろんなことをやっています。まぁ面白いので、ぜひ明治初期の佐賀藩出身者の人たちのこと調べてみて欲しいです。(あまり、載っている本が無いので、ものすごく大変かも知れないけど・・・)


関連リンク
明治維新の中の佐賀藩


自森人読書 幕末の鍋島佐賀藩
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