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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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司馬遼太郎は、やはりなかなか面白い。
『故郷忘じがたく候』

『故郷忘じがたく候』は、バラバラの破片を集めるようにして、16世紀豊臣秀吉の侵略によって拉致され、日本の薩摩にやってきた朝鮮の人たちの数奇な軌跡を江戸・明治・大正・昭和とたどっていったもの。
彼らは今でも鹿児島の地に生き続けているそうです。

それにして凄いです。
短いのに、これだけの内容を詰め込むなんて。

日本人として鹿児島に住みながらも故郷を想い続ける朝鮮人、沈寿官が、朝鮮に行ったとき、学生に向けて講演したという言葉が印象に残ります。「あなた方が三十六年をいうなら、私は三百七十年をいわねばならない」。彼は、もう後ろを振り向くのはやめよう、と呼びかけます。

日本の拉致問題にも、同じ言葉をあてはまるのではないか、と感じました。「おあいこ」ですむ問題では決してない。それにまだ拉致されている人が北朝鮮にいるならば、その人たちを救うのは急務です。
だけど、日本国が北朝鮮による何十年間前かの拉致の罪を声高に糾弾するならば、朝鮮の人たちは「日本による60年間前の拉致の罪を糾弾せねばならない」となるのではないか・・・


今日読んだ本
司馬遼太郎『故郷忘じがたく候』

今読んでいる本
三谷幸喜『俺はその夜多くのことを学んだ』
司馬遼太郎『斬殺』
司馬遼太郎『胡桃に酒』
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無題
これは、鹿児島の窯元、沈壽官のお話。絵付けがとても細かくて、繊細で美しい作品が多いです。
沈壽官ホームページ
http://www.chin-jukan.co.jp/col/5dai.html
慶長三年(1598年)秀吉の朝鮮侵略では、多くの陶工が日本に連れてこられ、それが今、唐津焼、薩摩焼etc,
多くの日本の陶磁器繁栄の基となっています。
日本の茶道などは、その陶工の上に成り立っているといってもよいのかもしれない・・。
なこ 2009/03/25(Wed) 編集
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