忍者ブログ
自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
[693] [692] [691] [690] [689] [688] [687] [686] [685] [684] [683]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『となり町戦争』
舞坂町ととなり町との間に戦争が起こり、舞坂町町民の主人公は偵察任務をまかされました。彼は、香西さんと偽装結婚してとなり町に潜入することになります。しかし全然実感が湧きません。血が流れないからです。「戦争」ってなんなのか? 偵察任務につくことで戦争に加担したことになるのか? 主人公は悩むのですが・・・

淡々としたはなしなので最初は少し退屈でした。しかし、読み進めていくうちに慣れてきました。

「戦争」というものを把握できない主人公が結局、香西さんと一緒にいられなくなる/セックスできなくなることに唯一「戦争による痛み」を覚えた、という部分にはとても考えさせられました。彼は、セックスによって誤魔化されてしまって結局「戦争」を理解できなかったのではないか。

最後まで、となり町との戦争とはなんだったのか分からないです。町の都合でいつの間にか始まって、そしていつの間にか終わって・・・本当の戦争も同じようなものなのかも知れないとも感じました。とくに現代の戦争は。目に見えないから殺し合っていても実感が湧かない。だから、リアルな出来事として認知できないのかも知れない。

いつか読もうと思っていた小説。やっと読めました。三崎亜記のデビュー作。第17回小説すばる新人賞受賞作。直木賞候補作。話題ほどの傑作ではなかったかなぁと感じたけど、とても考えさせられる秀作ではあります。


今日読んだ本
三崎亜記『となり町戦争』

今読んでいる本
東野圭吾『鳥人計画』
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ウェブサイトhttp://jimoren.my.coocan.jp/
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
最新CM
[07/03 かおり]
最新TB
バーコード
アクセス解析
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright © いろいろメモ(旧・自由の森学園図書館の本棚) All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]