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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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『となり町戦争』
舞坂町ととなり町との間に戦争が起こり、舞坂町町民の主人公は偵察任務をまかされました。彼は、香西さんと偽装結婚してとなり町に潜入することになります。しかし全然実感が湧きません。血が流れないからです。「戦争」ってなんなのか? 偵察任務につくことで戦争に加担したことになるのか? 主人公は悩むのですが・・・

淡々としたはなしなので最初は少し退屈でした。しかし、読み進めていくうちに慣れてきました。

「戦争」というものを把握できない主人公が結局、香西さんと一緒にいられなくなる/セックスできなくなることに唯一「戦争による痛み」を覚えた、という部分にはとても考えさせられました。彼は、セックスによって誤魔化されてしまって結局「戦争」を理解できなかったのではないか。

最後まで、となり町との戦争とはなんだったのか分からないです。町の都合でいつの間にか始まって、そしていつの間にか終わって・・・本当の戦争も同じようなものなのかも知れないとも感じました。とくに現代の戦争は。目に見えないから殺し合っていても実感が湧かない。だから、リアルな出来事として認知できないのかも知れない。

いつか読もうと思っていた小説。やっと読めました。三崎亜記のデビュー作。第17回小説すばる新人賞受賞作。直木賞候補作。話題ほどの傑作ではなかったかなぁと感じたけど、とても考えさせられる秀作ではあります。


今日読んだ本
三崎亜記『となり町戦争』

今読んでいる本
東野圭吾『鳥人計画』
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