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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★

著者:  グレッグ・ベア
出版社: 早川書房

  『タンジェント』は、グレッグ・ベアの日本オリジナル短編集。

  『炎のプシケ』
  かつて、プシケ計画(小惑星プシケを恒星間旅行に送り出す計画)というものがあったのですが、それは地球上で大きな影響力を持っているネイダー教によって秘密裏に頓挫させらました。その陰謀の中で殺されたゲッシェル(科学技術者)の一人を祖父にもつジャーニ・タルコは今では使われていないプシケを乗っ取ります。そして、衝突を仄めかしながらプシケを地球に接近させつつ交渉を行い、陰謀を教団に認めさせようとするのですが・・・ まるで『逆襲のシャア』。

  『姉妹たち』
  生まれる前から性を確定され、美人に生まれるように設定されている被造子(ひぞうっこ)たちの方がすでに多い学校の中で、「わずかに太り気味で、皮膚は張りがなく、縮れ毛にだんご鼻で話し下手、片方だけ大きい胸はすでに垂れ」ているナチュナル(生まれる前にはほとんど手を加えられていない)のリティーシャ・ブレイクリーは非常に悩むことになります。遺伝子組み換えなどの問題を、かなりグロテスクに取り上げた作品。読み終わったとき、物凄く考えさせられました。ちょっと『機動戦士ガンダムSEED』を連想。

  『ウェブスター』
  男と付き合ったことのない中年女性は、自らを惨めに感じてしまい、引きこもっています。そんなある日、私は辞書から「男」を生み出し、ウェブスターと名付けるのですが・・・ ファンタジックで、ユーモアに溢れているけど、辛辣な短編。

  『飛散』
  「分裂」してしまった少女ジェニーバは、テディ・ベアであるソノクとともに奇怪な宇宙船の中を駆け巡り、奇妙で奇天烈な人たちと遭遇するのですが・・・ 『不思議の国のアリス』を思わせるような短編SF。

  『ペトラ』
  物語の舞台は神死(モルデュー)後の世界。人間の想像することが何でも実現してしまうようになり、世界は混乱していました。そのような中で教会に籠もった人々は光を絶ち、野蛮な者を崇め、日々を過ごしていました。醜い肉と石の子である「私」は、石のキリストに遭い、人間達の抑圧と差別に対抗しようとするのですが・・・

  『白い馬にのった子供』
  謎めいた老人、老女と出会い、少年は創作の楽しみを覚えます。しかし大人たちは子どもの「妄想」を嫌い、それを阻止しようとします。

  『タンジェント』
  社会から追われ、カルフォルニアの草原にある農家に住んでいるホモの老科学者タシーは、ある日、四次元空間を見ることができる少年パルと出会います。2人は様々なことを語り合い、パルは四次元空間に向けて音楽を送ることにします。ネビュラ賞&ヒューゴー賞の二冠に輝いた作品。

  『スリープサイド・ストーリー』
  純真な心を持つ貧しい青年オリヴァーと、金を持ちながら本当の愛に飢えている娼婦ミス・パークハーストの物語。オリヴァーは自分を心配している母とミス・パークハーストとの間で揺れるのですが・・・

  グレッグ・ベアは、SFとファンタジーの狭間にいるような人なのだなぁ、と読んでいて感じました。ガチガチのSF作家ではないみたいです。どの作品の中にも、不可思議な世界が広がっていてとても楽しめます。


自森人読書 タンジェント
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