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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★

著者:  内田樹
出版社: ミシマ社

  冒頭にある「教育と言うのは時間を経ないと結果が現れないから、誰もが不寛容になる」という主張は身に沁みました。納得するし、様々なことを思い起こして反省します。確かに全くもってその通りだなぁと実感します。

  内田樹が、「学びは理屈じゃない、立ち止まるな。学ぶんだ!」ということを理屈でもって説明しています。ものすごく分かりやすいし、納得させられます。それにしても博識な人だなぁ・・・ ものすごく上手いです。逆に上手すぎるので、どうしても反論したくなる。引っかかる部分がないからかえって信用できない、というか。どうしても自分はまるめこまれているとしか思えない。村上春樹の文章を読んでいるときと同じ(ひねくれていて、どうしようもないと呆れられても仕方ないんだけど)。

  ちょっと待ってくれ、と言いたい部分も結構ありました。村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』が引用されている時点で、これは信用すべきではないかも、と感じてしまいました。村上春樹の小説は読めば分かるけど、不思議な小説だからいかようにでも解釈できます。それを自分にとって都合のいいように引っ張ってくるというのは、どうなのか?

  最後の「宗教」をぐいっとくくってみせる部分は、いくらなんでも大雑把に割り切りすぎなのではないか、と思いました。そんなふうに一緒くたにされたらたまらない。

  「教育」を考え始めるきっかけにはなりそうな本です。ただし、内田樹の感覚に共感できないと辛いものがあるか・・・


自森人読書 街場の教育論
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