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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  筒井康隆
出版社: 角川書店

  ある日のこと。中学3年生の芳山和子は、理科室を掃除していた時に実験室でラベンダーの香りを嗅いだことで意識を失います。それから、和子の周囲にはいろんな事件が起こるのですが、和子はそれらの事態を時間を遡行することによって回避できてしまうことに気付ききます。彼女は悩み、理科の教員・福島先生に相談すると、それは「テレポーテーションとタイム・リープではないか」と教えられ、真相を確かめるべく何日か前の過去へ向かうのですが・・・

  何度もドラマ化、映画化されてとても有名な作品。2006年にも細田守によって「続編」のアニメ映画がつくられました。

  僕は、『時をかける少女』から筒井康隆の作品を読み始めました。なので、読み終わったあと何も思わなかったのですが、あとで他の筒井康隆作品をいろいろ読んでみると、彼がこんな正統派ともいうべきジュブナイル作品を書くのは珍しいのだと知りました。

  なかなか面白かったです。だけど、なんというか「古風」な感じは否めないかなぁ。ラノベなどを読んだ後に『時をかける少女』を読むと登場人物たちのお行儀の良さと、物語としてのしっかりした造りが、よく分かります。僕はとても好きだけど。

  ただし、どちらかというと筒井康隆作品の中では、七瀬三部作の方が好きだなぁ。そちらも超能力が登場して、とても面白いです。なんていうか物語としては、かなり暗いけど。人間の心の薄暗い部分が見えてしまうんだから、あまり明るい物語にはならないよなぁ・・・

  今ちょうどNHKで『七瀬ふたたび』が実写化されています(木曜日夜8時)。あの悲劇がどういうふうになるんだろうなぁ。もう少し救いのあるラストになるのか、それとも小説通りの展開になるのか、ちょっと楽しみにして見ています。


自森人読書 時をかける少女
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