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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★

作者:  麻耶雄嵩
出版社: 幻冬舎

  兄・珂允(カイン)は、弟・襾鈴(アベル)の死の謎を解き明かすため、地図にない異郷の村へと向かいます。しかし着いた途端に鴉の大群に襲われ、負傷。千本頭儀という長の人の世話になります。ですが殺人事件が相次ぎ、「外人」である珂允が疑われ・・・

  探偵・メルカトル鮎が登場する作品。

  舞台は閉鎖的な村。そこで栄えているのは錬金術や五行思想。村において絶対的に力を持つのは、神のような存在「大鏡」。そしてそれを称えるものとして存在する村をあげてのお祭り・薪能。生まれてきたら徹底的に排斥される「鬼子」という存在。そういった設定が、不気味な雰囲気を醸し出します。

  ちょっと長すぎ。淡々としているので、読み続けるのが苦痛になってきます。

  とはいえ、読み終わった瞬間には頭がパンクするかと思いました。凄かったです。仕掛けられていた物語自体の衝撃的なトリックには驚かされました。思わず、最初のページからパラパラめくって読み直してしまいました。そういうことか・・・ と納得して、凄いや、と改めて感じました。

  新本格ミステリというものの集大成とも言えるような作品。

  良くも悪くも本格ミステリ。絶対にありえないだろう不気味で閉鎖的な村や、シルクハットにタキシードという格好をした探偵メルカトルや、物語自体の長大さに納得できる人にはおすすめ。僕は少し辟易しました。クライマックスは楽しめたけど、そこまで読むのが辛かった・・・


自森人読書 鴉
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