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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★

著者:  佐伯啓思
出版社: 講談社

  リベラリストの唱える「自由」というものを、絶対的なものとして捉えず、その問題点を指摘する本。これまで人間は善を軸にして自由を追求してきたけれど、善というものが消失した今、自由の価値が失われたし、自由というものを人間は制御できなくなると著者は説きます。リベラリズムは、イラク戦争も援助交際も阻止できない、だからこそ、今大切なのは共同体の「義」である、と続きます。

  要するに、自由の限界を指摘しているわけです。

  とても参考になります。理解できない部分もあったけど、新書だから哲学書みたいに難解なわけではありません。

  途中まではそうだよなぁ、と思いつつ読んでいました。ある程度は賛成できる部分もありました。

  ただし最後に登場する「義」とはいったい何なのか分からなかったです。社会のためには犠牲者が必要であり、それらの犠牲者に対する責務、共同体に対する責務が我々にはあり、それが義らしいんだけど。ようするに道徳心みたいなものを義と呼んでいるのかなぁ。その義とは東洋的なものなのだと著者は言うけれど、いまいち明確ではありません。

  正直言って、最終的に納得できなかったというか、何が言いたいのか理解できませんでした。すっきりしないなぁ・・


自森人読書 自由とは何か? 「自己責任論」から「理由なき殺人」まで
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