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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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むかし、自由の森学園は「競争原理を超えて」「自由と自立」を大切にするのだといっていた。教育界に吹き荒れていた「管理と抑圧」に対抗するため、その言葉を用いたのだろう。
下からの突き上げとしての「自由と自立」だった、といえる。

しかし、今では同じ言葉を、様々な立場の人たちが使っている。新自由主義というものがあるけれど、それは市場原理主義とグローバリゼーションを称揚し、推進し、そして、小さな政府を目指す考え方である。国家とときの与党とマスコミが「自己責任論」を唱えた。それは、国家や社会の役割を縮め、個々人に重い責任を負わせるものである。自立支援法という法律は、障害者に負担を押し付けるものである。
むしろ、上にある人たちが都合よく、自由や自立といった言葉を用いている、あるいは規定しているといっても良い。

そこで、自由の森学園は、「観(もののみかた)の教育」と言う言葉を用いるようになった。あるいは、「自由への森」という言い方をするようになった。

今では、さらにかわり、「豊かな表現力」「多角的な視点」「プレゼンテーション能力」「探究心」「健康な肉体と体力」「コミュニケーション力」といったものを目指すことになっているらしい。キャッチコピーっぽいキャッチコピーになったのだといえる。


「自立」という言葉は吉本隆明という評論家が好んだものである。
吉本隆明は遠山啓の弟子にあたる。現実から遊離した抽象的な概念を、まがりくねった迷路のような文体に組み込みつつ、自在に駆使した。様々なジャンルの人間と渡り合い、それが故に戦後の思想界をリードしたといわれる。
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