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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  ねじめ正一
出版社: 新潮社

  正一少年は江州屋のせがれ。「削りがつをと言えば江州屋」という言葉が示すとおり、彼の家は削りがつをが売りの乾物屋でした。彼は自分の家の家業を少しいやだなと重いながら、でもやっぱりいやだとは言えず、すこし良いかもとも思っているのですが・・・

  連作短編集。『天狗熱』『六月の蝿取紙』『もりちゃんのプレハブ』『にぼしと口紅』『富士山の汗』『真冬の金魚』収録。

  抑制の効いた文章が非常に良いです。さらりとしているのですが、淡い味があります。いろんなことを語ってくれます。

  ねじめ正一自身の少年時代の経験をもとにして、高円寺商店街の日々の風景を描き出した小説。ほのぼのとしていますが、正一少年の小さな不満などもきちりとかかれていてよかったです。共感しました。しかし、「懐かしく温かい商店街」の風景自体には思いを馳せることができませんでした。過去にはそんな時代もあったのか(少し美化されているにしろ)、というふうに感じました。

  第101回直木賞受賞作。芥川賞と直木賞の違いがよく分からなくなってしまいました。『高円寺純情商店街』みたいな小説は私小説だし、芥川賞にいく種類の小説だと感じたんだけど。境界線というものがいまいち分からないなぁ・・・

  そういえばドラマ化されているそうです。


自森人読書 高円寺純情商店街
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