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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

作者:  山田風太郎
出版社: 河出書房

  快作の塊と言えば良いのか、それとも怪作の塊と言えばいいのか。いろんな意味で凄い山田風太郎「忍法帖」シリーズの中の1冊。やっぱり面白い。

  武田信玄が京を目指す途上で病に倒れたところから、物語は始まります。武田家は7人の影武者を繰り出し、必死になってそのことを隠匿しようとしました。そこで登場するのが大軍師、山本勘介です。彼は、自らの献策(啄木鳥戦法)が失敗したため責任を取って川中島の戦いで自ら命を落とした、とされています。しかし、実は生きていて、12年間に渡って寺に籠もり、修行をしていました。そして信玄の死で危うくなった武田家を救うため、再び俗世へ帰ってきたのです・・・

  信玄の死を隠し、信玄の影武者を守るために戦うのは2人の真田忍者。猿飛天兵衛と霧隠地兵衛。逆に徳川家康の命令を受け、信玄の死を暴こうと襲い掛かるのは9人の伊賀忍者。御所満五郎、黄母衣内記、蝉丸右近、墨坂又太郎、漆戸銀平次、箙陣兵衛、六字花麿、虚栗七太夫、塔ヶ沢監物。

  その両者の間で、いつも通り山田風太郎風のエログロナンセンスな「忍術」による戦いが繰り広げられるわけです。ハチャメチャで面白い忍術を、よくあれだけ考え付くなぁと感心します。しかもそれを惜しげもなく次から次へと繰り出す勇気も凄い。ネタが尽きないのだろうか。

  それらの「忍術」は本当に破壊的な威力を発揮するわけですが、それでいて物語の流れがぶち壊れるということはありません。綺麗な文章にのせられたまま、どんどん読め進めることができてしまいます。滑らかな文章と、中身のえげつなさとの間に存在するギャップも、山田風太郎の面白さの1つではないかと思います(逆に、綺麗な文章だからこそ引き立つともいえるかも知れない)。


自森人読書 信玄忍法帖
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