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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  佐野洋子
出版社: 講談社

  知っている人も多いかも知れません。1977年出版ということなので、もうかれこれ40年間もいろんな人に読まれている、ということになります。100万回生きた猫の物語です。100万回生きてきて、そのたびにいろんな人から愛を受けます。でもとらねこは、別になんとも思っていません。とらねこは「100万回生きた」ということを誇りに思っているだけでした。けれども100万回目の野良猫になったときある白ねこと会います。とらねこは、白ねこを愛し、白ねこが死んだとき、はじめて泣くのです・・・

  100万回生きたとしても、幸せとはいえないんじゃないの? と問いかけられているような気がします。本当に誰かを愛してこそ、生きていると言えるのかも知れません。そして、本当に嬉しいということを知ってこそ、本当に悲しいということが分かる。

  主人公のねこは100万回生きてきました。そしていろんな人に愛されてきたけれど、最後の1回のときにはじめて、いろんな人から受けてきた愛に応えられるだけの何か、を手にいれたのだろうなぁ、と思います。それまでは「悲しい」という感情すら存在していなかったのではないか。からっぽだったような気がします。幼稚な自分を愛する心だけしかなかったのです。

  でも、それは果たして幼稚なのだろうか、という気もします。だって、本当に嬉しいことを知ってしまったなら、同時に本当に悲しいことを受け入れなければならなくなります。それはいやだ、と拒否するのも1つの選択肢かも知れません。俺はそんなに強くないから、自分だけを愛して生きるんだ、というのもありかなぁ、と思います。ひとを愛せない人は心が弱い。それは幼稚というのとは違う気がします。

  あれ、けど弱いということが幼稚なことなのかな。そうだとすると、やっぱり自分以外を愛せないものは幼稚なのか。

  まぁ難しく考えずにただ読んでも面白いです。


自森人読書 100万回生きたねこ
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