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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  竹内真
出版社: 新潮社

  自転車に憧れ、そして自転車とともに生きていく昇平と草太。音楽の道を選びながらも2人とどこかでつながっている幼馴染、奏。彼らの青春を描いていったものです。

  数人の登場人物が各々の視点から語る章が積み重なっていき、大きな物語が完成する、といういかにも好きそうなパターンの物語。

  それなのに、登場人物たちの書き方がありきたりでちょっと読むのが辛くなってしまいました。あまりにも話が出来すぎているという点も、ちょっと気になる。あとは4歳の男の子が異性のことを気にかけているという部分にも違和感を覚えました。

  とはいえ、物語は進むごとに段々と面白くなってきます。きちりきちりと細かい部分まで描写していく小説家・竹内真という人は凄い、と感心させられます。ただし、逆に言えばちんたらしているということです。この本を読む直前に壮絶で爽快なロードレースを描いた近藤史恵の『サクリファイス』を読んだばかりなので、なおさら『自転車少年記』のたらたらさが目に付いてしまい、うんざりしてしまいました・・・

  それぞれの章は、それぞれ色々あって面白いし、最後の辺りは感動します(昇平の息子が自転車に乗るシーンとか)。だけど、とにかく「長い」(二段組で400ページ超)というところで減点、という感じです。長くても物語に、山があり、谷があれば良いんだけど、この話はそれがなくて小さい話がチョコチョコ次から次へと出てくるだけ。かなり散漫です。章が進むごとにプツプツと切れてしまう。

  どうして、こうも起伏がないんだろうか。同じく竹内真の書いた長編小説『カレーライフ』は、凄く面白かったのに・・・ もしかしたら、ネットで連載していたものを本にしたから、こんなふうになってしまったのかなぁ。『自転車少年記』は、もともと「新潮ケータイ文庫」として配信したものを単行本化したものだそうです。


自森人読書 自転車少年記
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