自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
白痴の青年は、言葉を持たず、笑わず、泣かず、ただ放浪しています。ですが、テレパシー能力を持っていたので生きることはできました。しかし、あるとき、ゆがんだ父に育てられたために善と悪を知らない女性に出会い、変貌します。その後、彼は子供を待ち望む夫妻に引き取られます。そこで、ひとりぼっち(オール・アローン)と名乗るのですが、正確に発音することはできず、ローンと名付けられます。それから、彼はジャニィ、黒人の双子、赤ん坊に出会うことになります。ジャニィはテレキネシスを持ち、双子のボニイとビーニイはテレキネシスを持ちい、そして、赤ん坊は計算機のような頭脳を持っています。彼らは、社会の爪弾きでしたが、結びつくと強力になり・・・
SF小説。
登場人物たちは、みな、少しだけ異常です。何かが欠けているか、あるいはありすぎるのです。だから、孤独です。他人とつながることができません。そして、人間からはずれてしまいます。
人間の範疇におさまらないものたちまで、登場します。それが、ホモ・ゲシュタルト「集合人」です。それは、人間に似ているけれど、人間ではありません。ホモ・ゲシュタルトは、複数の人間によって構成されています。しかし、それ全体で、一つなのです。各々のパーツは、交換が可能です。
最後の辺りでは、道徳と品性について、考察されています。生存のためのおきてや、流れを感じるための何かが必要なのかなぁ。考えさせられます。
楽天的ともいえる、美しいラストが印象的。
シオドア・スタージョンは、いつでも、孤独と、つながりに関することを、書いているのかも知れない、と感じます。
国際幻想文学賞受賞作。
読んだ本
シオドア・スタージョン『人間以上』
読んでいる最中
野尻抱介『沈黙のフライバイ』
小路幸也『東京バンドワゴン』
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