自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
鶴見俊輔が様々な人と対談していきます。本書はそれをまとめたもの。登場するのは、、姜尚中、中村哲、徳永進、アーサー・ビナード、上野千鶴子、四方田犬彦、中島岳志、孫歌、池澤夏樹ら。鶴見俊輔とアーサー・ビナードの対談は面白いです。言葉に関わるはなしが、どこまでも発展していきます。
ただし、発展がない場合も、なくはないです。両者が、普段から言っていることを繰り返しているだけになってしまっている対談もあります。ただし、それでも面白いです。
いろんな人と相対し、いろんなはなしを引き出す、鶴見俊輔という人は凄い、と感じます。ヨーロッパの思想に偏る日本の知識人に対して彼が抱いているらしい不信感が、雑多なものを受け入れる素地になっているのかなぁと感じます。
とはいえ、対談に参加しているのは、やっぱり教養人・研究者のような人たちばかり。鶴見俊輔と話せる人間だけが呼ばれているわけです。もう少し闘争心をむき出しにする、はなしが合わない人も入っていると、もっと面白いかも知れない、と感じました。
今日読んだ本
鶴見俊輔編著『新しい風土記へ』
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