忍者ブログ
自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
[1419] [1418] [1417] [1416] [1415] [1414] [1413] [1412] [1411] [1410] [1409]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『ライ麦畑でつかまえて』
ホールデン・コールフィールドは成績が悪かったため学校を退学になります。その後、生まれ育ったニューヨークへ戻ろうとするのですが、インチキに満ち溢れた周囲に馴染むことはできません。苛立ちに任せ、大人社会を罵倒し続けます。しかし、その中で、うまく立ち回ることは出来ません。彼は、家族と過ごした少年の頃を懐かしみます。

反青春小説。

教養小説、青春小説であるならば、主人公は成長していきます。大人になるため、ステップアップしていくのです。しかし、ホールデン・コールフィールドは成長しません。彼は、大人たちのインチキを非難し続けることだけに力を注ぎます。

ホールデンは、いくらでも言葉を紡ぎます。脈絡や根拠といったものは気にせず、目の前にあるインチキや汚さや不正をあげつらいます。その喋り方が面白い、のかも知れません。いや、その喋り方こそが、『ライ麦畑でつかまえて』そのものか。

これといって筋はありません。

作品を紹介する際、主人公は、「反逆的だけど、無垢な少年」だというふうに、よく表現されます。だけど、傷つきやすく、危ういビョーキの少年のようです。何らかの基準を認めて、それに逆らうわけではなく、いつでもなんとなく生理的に跳ね返ってしまうのだから、反逆的というよりは、反発的といった方がいいような気もします。

最終的に、主人公は精神病院に収容されます。

痛々しいです。しかし、当然の結果かも知れないとも感じます。ホールデンのような喋り方をすれば、傷つくだろうし、壊れるだろうなぁ・・・ 跳ね返ってくるわけだから。


読んだ本
J.D.サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』

読んでいる最中
スティーヴン・ミルハウザー『イン・ザ・ペニー・アーケード』
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ウェブサイトhttp://jimoren.my.coocan.jp/
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
最新CM
[07/03 かおり]
最新TB
バーコード
アクセス解析
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright © いろいろメモ(旧・自由の森学園図書館の本棚) All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]