自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
ホールデン・コールフィールドは成績が悪かったため学校を退学になります。その後、生まれ育ったニューヨークへ戻ろうとするのですが、インチキに満ち溢れた周囲に馴染むことはできません。苛立ちに任せ、大人社会を罵倒し続けます。しかし、その中で、うまく立ち回ることは出来ません。彼は、家族と過ごした少年の頃を懐かしみます。
反青春小説。
教養小説、青春小説であるならば、主人公は成長していきます。大人になるため、ステップアップしていくのです。しかし、ホールデン・コールフィールドは成長しません。彼は、大人たちのインチキを非難し続けることだけに力を注ぎます。
ホールデンは、いくらでも言葉を紡ぎます。脈絡や根拠といったものは気にせず、目の前にあるインチキや汚さや不正をあげつらいます。その喋り方が面白い、のかも知れません。いや、その喋り方こそが、『ライ麦畑でつかまえて』そのものか。
これといって筋はありません。
作品を紹介する際、主人公は、「反逆的だけど、無垢な少年」だというふうに、よく表現されます。だけど、傷つきやすく、危ういビョーキの少年のようです。何らかの基準を認めて、それに逆らうわけではなく、いつでもなんとなく生理的に跳ね返ってしまうのだから、反逆的というよりは、反発的といった方がいいような気もします。
最終的に、主人公は精神病院に収容されます。
痛々しいです。しかし、当然の結果かも知れないとも感じます。ホールデンのような喋り方をすれば、傷つくだろうし、壊れるだろうなぁ・・・ 跳ね返ってくるわけだから。
読んだ本
J.D.サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』
読んでいる最中
スティーヴン・ミルハウザー『イン・ザ・ペニー・アーケード』
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