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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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音楽祭が終わってたくさん本が読めます。
この前からずっと読んでいた飯嶋和一『黄金旅風』が読み終わりました。凄く面白かったです。重厚さが良い、と思いました。ただしこの前も書いたように主人公の思考がもろに「近代人っぽい」感じでちょっと違和感を覚えることはありました。


読んでいて、ローズマリー・サトクリフを思い出しました。もちろん全く雰囲気が異なります。だけど、歴史をもとにした小説であることとか、情景にページを割くところとか、「めでたしめでたし」の結末が待ち構えているわけではないところが似ている気がしました。
けどまぁ全然違うか・・・ ローズマリー・サトクリフは英雄ではない人たちの生の姿を書いているのに対して飯嶋和一は人間離れしたかっこ良い英雄たちを書いているわけだから。

物語の舞台は江戸時代初期の長崎。
徳川家康の子・秀忠が大御所としていまだ力を握る一方で、家光の時代が迫る頃。
主人公は、海外との貿易により、西方一の豪商として名を馳せる末松平左衛門(二代目末次平蔵)と、長崎の火消組頭・平尾才介。2人は、長崎の人たちへの思いを胸に、内から外から迫る敵を打ち払っていきます。

幕府の国家統制が強まっていく中、民衆はどんどん締め付けられていきます。各地で、切支丹弾圧の嵐が吹き荒れます。とくにキリシタンの多い長崎など、九州では徹底的な弾圧が行われました。
海の男たちもどんどんと締め付けられていきます。貿易はじょじょに幕府に抑えられていきました。末松平左衛門は、それに対抗しようとして自分の力の及ぶ限り、色々な方策を打っていきます。

そして締め付けの一方で、鬱屈とした思いを抱える大名たちは諸外国への侵略に乗り出そうとします。それは、西洋諸国の強い反発を招くことは確実です。そうなれば、九州一の良港・長崎がまっさきに戦場となるのは確実です。末松平左衛門はその無謀なる侵略を阻止しようとします・・・

(飯嶋和一、ついこのまえ前大佛次郎賞をとったそうです。そちらも早く読んでみたいです)


今日読んだ本
飯嶋和一『黄金旅風』

今読んでいる本
陳舜臣『英雄ありて』(再読)
松下竜一『潮風の町』
『世界』編集部『保守政治家は憂える―自民党リーダーたちとの対話』
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