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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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『夏への扉』
物語の舞台は1970年のロサンゼルス。主人公ダンは家事用ロボット「文化女中器」を発明し、それを大ブレークさせます。その上、美しい恋人ベルまで得て、楽しい人生を送っていました。しかし、あることをきっかけにして共同経営者マイルズと恋人ベルに裏切られ、会社から追放されます。希望を失ったダンは愛猫ピートとともに30年間の冷凍睡眠につくことを決意しますが・・・

タイムトラベルを扱ったSF小説。

2000年の世界の様子も描写されます。今となっては「2000年の世界」が過去のことになってしまい、様々な矛盾が生まれてしまいました。けど、現実の世界と、ロバート・A・ハインラインらSF作家が思い描いていた世界を比較してみるのはけっこう面白いです。

ただし、女性キャラクターの扱いは微妙ではないかと少し感じました。天使みたいに優しい女性と、半狂乱の悪女しか登場しないのです。しかも、「あれ(付属品)」扱いだし、根底にはそもそも女と言うものにはヒステリックな傾向があるという偏見がある気がします。まぁ1975年の小説だからしかたないという弁護もありうるのかも知れないけど、明らかに古臭い考え方だし、差別的じゃないかなぁ。

しかも、ラストでは中年男が10歳くらい年下の女の子と結ばれるのです。もう男側にとって都合の良すぎるストーリー。『夏への扉』が「古典的名作」としていつもSFベストランキング上位に推されているのはどういうことなのか。そういうランキングに参加している人たちは男性ばかりなのかも知れない(そもそもSF小説自体も男性にしか読まれていないのか)。

もっと良い作品が他にあるだろうに・・・


今日読んだ本
ロバート・A・ハインライン『夏への扉』

今読んでいる本
オラフ・ステープルドン『スターメイカー』
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