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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

作者:  田中芳樹
出版社: 徳間書店

  銀河英雄伝説シリーズ全体の感想のページ

  傀儡の幼帝を擁立し、帝国の全権を握ったラインハルト。彼は、配下の将軍であるケンプとミュラーにガイエスブルグ要塞を与えます。そして、それでもって同盟軍のイゼルローン要塞を陥落させるよう命じます。要塞対要塞という、シリーズの中でも珍しい展開となるわけです。

  帝国軍の侵攻に対して、イゼルローン要塞を守る同盟軍は動揺します。なんと要塞の総司令官にして、天才戦術家のヤン・ウェンリーがいなかったからです。ですが、敵が攻めてきたからには戦わない訳にはいきません。同盟軍は、ヤンの不在を隠したまま、戦闘に突入していきます・・・

  さて、ヤン・ウェンリーは、自分の持ち場を離れてどうしていたのか? 実は、査問会に呼び出されていました。数々の戦争で活躍してきたヤンは、中央の政治家(とくに元首・トリューニヒトとその取り巻き)たちから疎まれていたのです。そして査問会という名の「いじめ」を受けることになります。ですがヤンも黙っているわけではない。そうして、首都では舌戦が繰り広げられます・・・・・

  ちょっとここで小休止、というような感じです。1・2巻が怒涛のような展開を見せたのでここで息継ぎ、というか。決してつまらないわけではないんだけど、物語の中の狭間みたいになっています。ほとんど物語は進まず、この巻では同盟内部の政治腐敗が再確認されます。建て前としては民主国家・議会政治ということになっているけど、実質的にはトリューニヒトとその1派によって政治が壟断されている様が、少しずつ露になってきます・・・ そして、同盟の人材枯渇というのも見えてきます。

  それとは対照的なのが帝国軍。2巻末ではキルヒアイスが倒れ、この巻ではケンプが戦死してしまいます。ですが、ミッターマイヤー、ロイエンタール、オーベルシュタイン、メックリンガー、ビッテンフェルトら有能な将軍・参謀たちが揃っているため、全く優位の立場は揺らいでいません(と列挙されても、困るか・・・)。

  ラインハルト率いる圧倒的な帝国軍と、ヤン1人の活躍で保っている劣勢の同盟。またもや、その差がまざまざと表れます。


自森人読書 銀河英雄伝説3 雌伏篇
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