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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★

著者:  福井晴敏
出版社: 幻冬舎

  人類の過ちによって地球は壊滅寸前になってしまった。人々は、地球と月に分かれ住むこととなる。地球の民は、これまでの科学技術を自ら封印し、そのほとんどを失ってしまう。月の民は、地球という故郷を眺めみるだけの日々を過ごすようになった。

  それから2000年が過ぎた。月の民は、故郷地球への帰還を望むようになった。そして、地球帰還作戦をたてて、地球へ降下していく。だがそこに大きな悲劇が待ち構えていたのである・・・

  ガンダム好きな福井晴敏が、アニメになり、映画にもなっている『∀(ターンエー)ガンダム』を小説化したもの。とはいっても、アニメとは全然違うストーリーらしいです。

  やっぱり字が小さいのに分厚いなぁ。この物語の中で1つのテーマとなっているのは、進化と退化の波は繰り返している、ということです。それと似たものが、同じく福井晴敏の書いた『戦国自衛隊1549』という本の中に登場します。歴史の修正作用ともいうべきものです。何か巨大な歴史の流れのようなものが、歴史から本来存在しなかった異物を完全に除去してしまうのです。

  そういった人智ではとらえきれぬほど壮大なリズムというか、流れのようなものが歴史には存在するのだろうか、というのはとても面白い疑問だなぁ、と思います。歴史は多少の誤差があっても収斂していって結局元通りの流れに戻るのか? そんなことはタイムマシンが開発されてみないと分かりません。でも、想像してみるのは面白いです。どうなんだろうなぁ。


自森人読書 月に繭 地には果実
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