自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
★★★★
著者: 堀江敏幸
出版社: 新潮社
時間給講師の私は、昇り龍を背負った印鑑職人の正吉さんと偶然知り合います。2人は居酒屋「かおり」で同じ珈琲を飲みつつ、少しだけ言葉を交わすような仲でした。そんなある日、正吉さんが大切な人に印鑑を届けるといったきり姿を消します。彼は「かおり」に土産のカステラの箱が置き忘れたままでした。それを私は預かるのですが、正吉さんは帰ってきません。それでも私の日常は続いていきます。大家の米倉さんと一緒に酒を飲み、その娘の咲ちゃんには勉強を教え、時には翻訳の仕事をし、競馬と昔の小説(島村利正の短篇集『殘菊抄』のはなしが出てきたりする)についていろいろ考えたりしながら、1日1日はさらさらと流れていきます・・・
『サアカスの馬』(教科書に載っている作品)について書いてある部分とか、面白かったです。あと『スーホの白い馬』が登場したときは懐かしくなりました。
長い文章が多いです。それらの文章は、一度読んだだけでは意味を汲み取れないこともあるのですが、だからこそ味わいがあります。お手本にしても構わないような名文かどうかは分からないけど、僕は好きです。とても流暢でさらさらした感じがします。
読んでいていかにも純文学っぽい、と僕は感じました。純文学特有の「訳分からなさ(大江健三郎や、笙野頼子みたいなとっつき難さ)」はないです。とはいえ、どんどん読み進んでいけるような軽い文章ではありません。
とにかく淡々としています。けど面白くて読みたくなります。落ち着いた慎ましい雰囲気が良いのかもしれない。「風雅」という言葉を思い浮かべます。
自森人読書 いつか王子駅で
著者: 堀江敏幸
出版社: 新潮社
時間給講師の私は、昇り龍を背負った印鑑職人の正吉さんと偶然知り合います。2人は居酒屋「かおり」で同じ珈琲を飲みつつ、少しだけ言葉を交わすような仲でした。そんなある日、正吉さんが大切な人に印鑑を届けるといったきり姿を消します。彼は「かおり」に土産のカステラの箱が置き忘れたままでした。それを私は預かるのですが、正吉さんは帰ってきません。それでも私の日常は続いていきます。大家の米倉さんと一緒に酒を飲み、その娘の咲ちゃんには勉強を教え、時には翻訳の仕事をし、競馬と昔の小説(島村利正の短篇集『殘菊抄』のはなしが出てきたりする)についていろいろ考えたりしながら、1日1日はさらさらと流れていきます・・・
『サアカスの馬』(教科書に載っている作品)について書いてある部分とか、面白かったです。あと『スーホの白い馬』が登場したときは懐かしくなりました。
長い文章が多いです。それらの文章は、一度読んだだけでは意味を汲み取れないこともあるのですが、だからこそ味わいがあります。お手本にしても構わないような名文かどうかは分からないけど、僕は好きです。とても流暢でさらさらした感じがします。
読んでいていかにも純文学っぽい、と僕は感じました。純文学特有の「訳分からなさ(大江健三郎や、笙野頼子みたいなとっつき難さ)」はないです。とはいえ、どんどん読み進んでいけるような軽い文章ではありません。
とにかく淡々としています。けど面白くて読みたくなります。落ち着いた慎ましい雰囲気が良いのかもしれない。「風雅」という言葉を思い浮かべます。
自森人読書 いつか王子駅で
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