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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★

著者:  笙野頼子
出版社: 講談社

  笙野頼子の短編集。『なにもしてない』『イセ市、ハルチ』収録。

  『なにもしてない』
  ナニモシテナイ自分に対して納得できない私。彼女は、接触性湿疹が発症したのに病院へ行かず、病気を悪化させてしまいます。どうやら彼女はもう30なのに、独身だということに滅入っているようです。そんな日々の中に、天皇即位式がからんできて・・・ 接触性湿疹と天皇即位式が並列して書かれています。第13回野間新人賞受賞作。

  『イセ市、ハルチ』
  故郷であるイセ市ハルチに帰ってきたのに、妙に違和感がぬぐえない私。そこが本当に実在しているのかが彼女には分からないのです。そんな中で、彼女は伯母アイとのかつての忌まわしい関係を思い出していくのですが・・・

  笙野頼子の第1小説集。

  いったい『なにもしてない』という作品は、どういうふうに解釈すれば良いのか。社会の中心に立とうとしている天皇と、社会の片隅で病んでいる私とを対比しているのだろうか。そういうふうには全然読めないのですが・・・ もしかしたらそこに横たわる断絶を描いているのかも知れません。『イセ市、ハルチ』は故郷帰りの物語。人、とくに女が徹底的に束縛されていた街で幻想を見る主人公は苦しそうです。

  読んでいたら、なんだか気分が滅入りました。

  主人公の女性の欝な気分が乗り移ってきます。笙野頼子の文章は非常に読みにくいです。しかも重いし、よく分からない。なんというかずっと水の中に沈んでいるような感じ。まぁそういうふうな感想を抱かせる笙野頼子と言う人は凄いけど、とにかく読むのが辛かったです。それ以外感想を思いつかない。僕は純文学が読めないなぁ、と感じました。


自森人読書 なにもしてない
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