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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★

著者:  よしもとばなな
出版社: 文藝春秋

  短編集。『幽霊の家』『「おかあさーん!」』『あったかくなんかない』『ともちゃんの幸せ』『デッドエンドの思い出』収録。

  『デッドエンドの思い出』は。
  遠距離恋愛をしていた婚約者にふられてしまい、私は茫然自失の状態。恨んだりとかもしたけど、ボロボロになってしまいます。しかし、彼女は「袋小路」というお店で雇われ店長をしている西山君との関わりの中で、なんとか自分を取り戻していきます・・・

  子どもを産んでしまうと悲しい話は書けなくなると言われたよしもとばななが、出産を控える中、これまでに味わってきた悲しみや苦しみを今のうちに掬い上げようと書いていった作品を集めたもの、らしい。「一番うまく書けた」と本人が述懐しているそうです。

  よしもとばななの物語は、「剥き出しである」と誰かが分析していたけどよく分かるような気がします。暗喩だらけの村上春樹とは全く違うというか、ほとんど逆の作風ではないか。けど、物語の主人公が基本的にお金持ちで何不自由なく育ってきた人間である、という点は似通っている気もします。面白いなぁ・・・ 共通点と相違点を挙げていくと。

  よしもとばななの作品はどれもこれも、どことなく似ています。近しい人の「死」、心の浄化を促す「泣く」と言う行為、都合よく登場しては物語を進行していく「夢」、スピリチュアル的な発想、私が存在すること自体が素晴らしいというような悟り。そういうのがやたらと多い。それらの組み合わせによって成り立っているといってしまっても良いのではないか、とすら感じます。ですがそれにも関わらず、不思議なことに「読まされる」のです。しかも面白いと感じる。なんでだろう。普遍的なテーマだからかなぁ。

  2004年第1回本屋大賞ノミネート作(7位)。


自森人読書 デッドエンドの思い出
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