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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★★

著者:  手塚治虫
出版社: 講談社


  「アドルフ」というファーストネームを持つ男たちの物語。ナチスドイツを率いるアドルフ・ヒトラー。ナチス党員の父と日本人の母の間に生まれたハーフ、アドルフ・カウフマン。ドイツから神戸に亡命したユダヤ人の少年、アドルフ・カミル。彼ら3人は時にめぐり合い、ぶつかり合います。そんな中、「ヒトラーにはユダヤ人の血が流れていた」という情報を巡って、いろんな人が密かに暗闘を繰り広げ、3人もそれに巻き込まれていきます・・・・・

  狂言廻しは日本人、峠草平。

  とにかく面白いです。ベルリンオリンピック、ゾルゲ事件などいろんな歴史的事実が散りばめられています。歴史好きにはたまらないはず。

  でも、別に歴史が好きではないという人でも楽しめるようになっています。物語の主人公は、主にカウフマンとカミルの2人なのですが、彼らの間には一時友情が生まれます。しかし、ナチス党員とユダヤ人がいつまでも友達でいられるはずがなく、彼らの関係は歴史の渦の中で歪んでいきます。そこらへんが非常によく描かれています。

  手塚治虫の漫画はどれも面白いけど、『アドルフに告ぐ』はとくに面白いです。

  そういえば、ラストはあまりにも哀しいです。


自森人読書 アドルフに告ぐ
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