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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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★★★★

著者:  海堂尊
出版社: 文藝春秋

  桜宮市の東城大学医学部付属病院は、天才外科医・桐生恭一を招聘し、彼を中心にして、「チーム・バチスタ」を結成します。桐生恭一は、失敗する確率が非常に高いバチスタ手術を20件以上、次々と成功させていきました。それはチーム・バチスタの奇跡と呼ばれました。ですが、最近になって相次いで3回も手術が失敗。不定愁訴外来の田口医師は、高階病院長に依頼され、その事態を調査するのですが・・・

  快作。とても面白かったです。

  最初は田口が丹念に事態を調査していきます。単調にならないように、人の書き分けがきちりとなされています。前半だけでも、作者・海堂尊は凄い人だなぁと感じました。

  しかし、中盤から「ロジカル・モンスター」白鳥圭輔が登場してくるともっと楽しくなってきます。白鳥は全てをぶっ壊して前進していきます。本当に傍若無人。「ロジカル・モンスター」とか言うわりには、ただ単に相手を怒らせるだけの調査手法も笑えます。

  基本的な構造は、古典的なミステリ小説と何も変わらないのに、「医療」という題材が新しいからかなぜか斬新な小説に見えます。あと、社会やマスコミに対する鋭い批判が盛り込まれているところも良かったです。そして、重いテーマを扱いながらも軽快に進んでいくところも読みやすくて良いです。

  第4回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。海堂尊のデビュー作。


自森人読書 チーム・バチスタの栄光
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