忍者ブログ
自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
[329] [327] [328] [326] [325] [324] [323] [322] [321] [320] [319]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

★★★★

著者:  白土三平
出版社: 小学館

  江戸時代、士農工商のさらに下に位置づけられていた穢多非人たち。その1人にカムイがいました。カムイは、非人という立場を抜け出して、自由になろうと目指します。また、農民の正助や、武士の竜之進らはそれぞれ、体制の矛盾に気付き、改善しようと考えます。しかし、そう簡単にはいかない、それどころか徹底的な弾圧を受けます。上の者が下の者を差別し、下の者がさらに下の者を差別し、さらに下の者は、互いに監視しあう。その差別の連鎖から抜け出すことはとてつもなく難しいことでした・・・

  最後がどうなるのか、気になりながら読んでいました。だって史実通りにいくならば、250年間江戸幕府は安泰です。叛乱が起きることはあってもすぐ潰されるし、革命が起きることはありません。とすると、カムイたちはどう考えても幕府に勝てない、ということが物語が始まる前から決定していることになります。

  でもそれじゃつまらない。どうなるのだろう、と思っていたら・・・ 物語は進めば進むほど暗くて、救いがなくなっていく・・・ 少し光が見えたかと思ったら、次にはさらに悲惨な出来事が起こり・・ 先駆者は誰にも理解されず、潰されていくということじゃないか、という感じがしてきます(そんな単純じゃないけど)。第一部が終わった結論は、カムイたちにはほとんど救いが無いということかなぁ。

  勝つことが重要じゃない、闘争を続けることに意味があるんだ、というならはなしは別だけど。でも結局殺されると分かって戦うというのほど辛いことはないよなぁ。

  そういえば、カムイというのは何か、というと・・・ カムイというのは主人公の名前でもあり、狼の名前でもあります(アイヌ語の「神」という言葉らしい)。『カムイ伝』では各所に動物たちの争いがさしはさまれています。よくあれだけうまく描けるなぁ、と感心します。動物を描くのもそうだけど、あれだけたくさんの人間の顔をかき分けるのも大変だろうなぁ・・・

  ぼくは長いマンガはたいてい飽きてしまうのですが、この『カムイ伝』は違いました。まだ、『カムイ伝』は完結していません。やっと第二部が終わり、これから第三部が始まるところです。まだまだ全然見えていないことが多い気がします。作者・白土三平がすでに40年にわたって描き続けてきたストーリー。完結するところが見たいです。


自森人読書 カムイ伝 第一部
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カムイ伝全集
  持ってるのになぁ・・・買っちゃったよ(爆)
URL 2008/12/12(Fri)22:32:12
「カムイ伝講義」あるいは世界の見方
楽天ブックスから、本が届きました。カムイ伝講義田中優子著 小学館もう29年前の話ですが、大学教養学部の日本史の講義でまだ若い講師(名前忘れました)が言いました。「本多勝一というジャーナリストがいる。彼は「事実とは何か」という文章の中でおよそこのようなこ...
URL 2008/12/13(Sat)23:08:38
ウェブサイトhttp://jimoren.my.coocan.jp/
カレンダー
09 2017/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
ブログ内検索
最新CM
[07/03 かおり]
バーコード
アクセス解析
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright © いろいろメモ(旧・自由の森学園図書館の本棚) All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]