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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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『ムーン・パレス』
人類が初めて月を歩いた年のこと。主人公マーコ・フォッグは伯父を失い、ショックを受けます。父は気付いたときにはいなかくて、幼い頃に母を失っていたフォッグにとって、伯父は唯一の肉親だったのです。彼は、伯父が残してくれた本を詰め込んである段ボールを家具にしていました。読んだ傍から古本屋に売っていくので、部屋の中から物がなくなっていきます。その後、部屋を追い出されて浮浪者になるのですが、親友ドンマーと偶然出会ったキティ・ウーらに救われ・・・

青春小説、なのか。

主人公マーコは、考える人です。いろんな出来事を総括し、抽象化し、様々なものの中に関連性を見出そうとします。そういうことばかりしているので、他の人のように金を稼いで生活していくことが出来ません。そして、浮浪者になってしまいます。

月が繰り返し表れます。ムーンパレスという中華料理店がでてきたり、『月光』という絵画がでてきたり。主人公マーコは月を意識しているから、色んな場所に月を見つけ出してしまうのかも。

偶然が物語を動かしていきます。

波乱に富んでいるということが出来るかも知れません。様々なことが明らかになるたびに結びついていきます。意表をつかれますが、愉快です。たとえば、最後の辺りで主人公の出生の秘密が明らかになります。予想もつかないということはないけど、やはり意外。

登場人物も各々印象的。とくに面白いのは、足が悪くて車椅子にのっている盲目の老人エフィング。彼は偏屈で激しやいのですが優しさも持ち合わせているらしく、彼の周囲にはなんとも言い難い分からなさが漂っています。だけど、物凄く巨大で肥満で禿げているけれどユーモアに富んだバーバーもおかしいです。


読んだ本
ポール・オースター『ムーン・パレス』

読んでいる最中
フランツ・カフカ『城』
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