自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
海上貿易というものに着目した本。昔から世界を股にかけ、活躍していた商人達がいたということを知ることが出来ます。
選択科目「世界史前近代史」の課題で、義浄という人物のことを調べることとなり、借りて読みました。義浄もちょこっとだけ登場していました。(義浄というのは中国の僧侶。海路を使い、東南アジア経由でインドへ赴き、さまざまなことを学んだ後に帰還して則天武后に迎えられたという凄い人。彼の残した著作は、当時のインドや東南アジアの社会の仕組み・仏教の広がり具合を研究する上で役立っているそうです。)
全体的には少し散漫な印象を受けましたが、様々なことを調べる上での手がかりとしては役立つかもしれない、と感じました。陸地を中心にして世界を見ていると足を掬われる、ということを指摘する人も最近では結構多いようですが(日本には海洋国家としての側面があると力説する人はよく見かける)、『海のシルクロード史』を読むとそれらの主張にも説得力を感じます。
中国は周辺諸国に対して名目上の臣従を求め、それが受け入れられれば交易を行いました。一方、ヨーロッパ諸国は原住民を支配下に置き、植民地化を積極的に推し進めました。その違いはどこからくるものなのか考えてみたいなぁ、と感じました。どちらも自身を「文明」として尊び、周辺を「野蛮」として捉えている点では似通っているような気もするんだけどなぁ・・・
今日読んだ本
長沢和俊『海のシルクロード史―四千年の東西交易』
今読んでいる本
山田風太郎『柳生十兵衛死す 上』
大森望『現代SF1500冊 乱闘編』
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