自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
24世紀、人間はテレポーテーションを可能にしました。それは、発見者の名をとってジョウントと呼ばれています。勿論、人間の生活は激変し、バランスが崩れたため、内惑星連合と外衛星同盟の間では戦争が勃発します。25世紀、プレスタイン財閥の宇宙船ノーマッドは攻撃を受け、漂流します。唯一の生存者ガリヴァー・フォイルは近くを通った同じくプレスタイン財閥の宇宙船ヴォーガに助けを求めますが、無視され、激怒し、復讐を誓います。その後、フォイルはサーガッソ小惑星群に住む科学人のもとへたどり着きますが、顔に刺青の虎のような模様とN♂MAD1という文字を彫られてしまい・・・
1956年に発表されたSF小説。
『モンテ・クリスト伯』をモチーフにしているそうです。主人公はヴォーガに復讐するためだけに、宇宙を駆けめぐります。彼は野蛮なので、虎と呼ばれます。とはいえ、強靭だし、どのようなときでも諦めません。とにかく圧倒的なのです。
財閥を率いるプレスタインの娘、オリヴィアは印象に残ります。彼女は、普通の物は見えないのですが、赤外線などを感じられる特殊な目を持っています。純白の雪の処女などと表現されるので、いかにも、典型的なお嬢様のように思えますが、実はそうではない、と発覚します。
全体的には、八方破れになりかかっています。
破壊的。とくにラストの辺りは凄まじいです。小説というものではなくなる寸前のところにまで到達してしまいます。しかし、それが魅力。
SFの古典。後の作品に影響を与えたようです。たとえば、多くのアイディアは石ノ森章太郎に、前衛的な部分は筒井康隆に影響を与えています。読むだけで分かります。
読んだ本
アルフレッド・ベスター『虎よ、虎よ!』
読んでいる最中
篠田一士『二十世紀の十大小説』
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