自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
ポストモダンという言葉は80年代に持てはやされ、今では過去の遺物のように扱われているが、実はポストモダンが徹底化されたのは90年代なのであり、世界の断片化がすすんでいる、というのが著者の主張。そこまでは、現代思想としては当たり前なのですが、著者は、それを肯定せず、自分を媒介にして、分断されたものどうしを繋げていこうとします。そして、様々なものを論じます。たとえば、ソルジェニーツィン、多和田葉子、エヴァ、デリダ、阿部和重、柄谷行人、筒井康隆を論じていきます。
東浩紀の評論集。
綺麗に整理されています。とにかく切れ味が鋭いし、結論には説得力があります。あまりにもスパッといくので、逆に不安になるほどですが、著者はそれも自覚しているようです。
たとえば、スラヴォイ・ジジェクは便利な論法で何でも切り捨てていく、と喝破します。それを理解しているのならば不安は感じません。その辺りのバランス感覚も良いです。
ポストモダン的状況の中で島にこもるのはよくない、とあえて結論付けるところはかっこいいです。しかし、東浩紀もサブカルチャーにけんかを吹っかける振りをしつつ仲良くしている、としか思えないからなぁ・・・ 有言実行になればいいのだけど。
読んだ本
東浩紀『郵便的不安たち#』
読んでいる最中
グレッグ・イーガン『しあわせの理由』
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