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自森人-自由の森学園の人-の読書ブログ
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今日、「爆笑問題のニッポンの教養」を見ていたら・・・
「東京おもちゃ美術館」が登場していました。
おもちゃがやまほどあるそうです。
面白そうでした。

「東京おもちゃ美術館」行ってみたい・・・
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■2008年(第5回)
 ◎ 伊坂幸太郎  『ゴールデンスランバー』◇
 2 近藤史恵  『サクリファイス』◇
 3 森見登美彦  『有頂天家族』◇
 4 吉田修一  『悪人』◇
 5 金城一紀  『映画篇』◇
 6 角田光代  『八日目の蝉』◇
 7 桜庭一樹  『赤朽葉家の伝説』◇
 8 万城目学  『鹿男あをによし』◇
 9 桜庭一樹 『私の男』
10 重松清 『カシオペアの丘で』

11 奥田英朗 『家日和』
12 水野敬也 『夢をかなえるゾウ』
13 松浦寿輝 『川の光』
14 松浦理英子 『犬身』
15 有川浩 『図書館革命』
16 森見登美彦 『新釈 走れメロス他四篇』◇
17 佐藤亜紀 『ミノタウロス』
17 三浦しをん 『仏果を得ず』
19 本多孝好 『正義のミカタ』
19 坂木司 『ワーキング・ホリデー』
21 米澤穂信 『遠まわりする雛』
22 辻村深月 『スロウハイツの神様』
23 東野圭吾 『夜明けの街で』
23 誉田哲也  『武士道シックスティーン』◇
25 米澤穂信 『インシテミル』
26 畠中恵 『つくもがみ貸します』
27 島本理生 『クローバー』
27 桜庭一樹 『青年のための読書クラブ』
29 堀江敏幸 『めぐらし屋』
30 宮木あや子 『花宵道中』

565笑う月
★★★ 安部公房

564ジョニー・ザ・ラビット
★★ 東山彰良

563ケルベロス第五の首
★★★★★ ジーン・ウルフ

562ルバイヤート
★★★★ オマル・ハイヤーム 陳舜臣

561悪童日記
★★★★★ アゴタ・クリストフ
★★★

著者:  安部公房
出版社: 新潮社

  『笑う月』は安部公房の短編集。『催眠誘導術』『笑う月』『たとえば、タブの研究』『発想の種子』『藤野君のこと』『蓄音機』『ワラゲン考』『アリスのカメラ』『シャボン玉の皮』『ある芸術家の肖像』『阿波環状線の環』『案内人』『自己犠牲』『空飛ぶ男』『鞄』『公然の秘密』『密会』収録。

  エッセイと掌編小説が17篇収められています。

  奇妙な感覚を持ち合わせた不可解な小説を書くためにはどうすればいいか、少しだけ分かります。安部公房は、夢というものを小説に取り入れているそうです。そのまま使うというわけではないようですが、ネタにするみたいです。

  しかし、夢は随分と扱いづらいもののような気もします。他人の夢のはなしほどつまらないものはない、という言葉があります。

  AからBへと渡されるタブについての考察がつらつらと綴られている『たとえば、タブの研究』とか、夢がそのまま綴られているときはそれほど面白くはないです。とはいえ、少しは愉快です。そこまで理詰めで考えるのか、と感心します。理詰めで考えるからこそ、面白い小説が生まれるのだろうか、と考えてしまいました。

  教科書に収録され、自由の森学園の授業でも扱っている『公然の秘密』は、最も取っ付きやすくて分かりやすい「小説」になっています。というか『公然の秘密』以外の作品が提出されたら困ってしまうだろうなぁ、と感じます。


自森人読書 笑う月
★★

作者:  東山彰良
出版社: 双葉社

  ジョニーは、昔人間ドン・コヴェーロのマフィアに飼われていた雄兎です。主人が殺されてしまったため、野良兎となり、探偵事務所を開設しました。そこへ失踪兎の捜索依頼が舞い込みます。彼はラビッチたちとヤりまくりつつ愛について語り、その上事件を追うのですが、事件は兎の集団失踪事件にまで発展し・・・

  兎が主人公のハードボイルド小説。

  呆れるような内容。主人公が兎だということが存分に活かされているし、その上ミステリとしてもそれなりに面白いのだけど、読んでいるとなんというか、もうどうでもよくなってきます。とにかく、ジョニーという存在が愉快。

  主人公ジョニーの台詞がいちいち耳障りというか、いかにもハードボイルドと言う感じでかっこよくて笑えます。あとは、ジョニーの扱われ方が愉快です。最初の内は兎世界で探偵として活躍するのですが、後半になると・・・

  文章が読みづらいし、世界観もいまいち把握しづらいのですが、一級のバカミスということができるかも知れません。とくに、「終幕 ジョニー・イン・ザ・ブルー・スカイ」は、なんとも言いがたいです。

  『ジョニー・ザ・ラビット』を読む暇があったら他の本を読みたい、とは感じましたがつまらないことはないです。ここまでくると、「渋くてかっこいい」ハードボイルドというものが本当にバカバカしいもののように思えてきます。おかしすぎます。


自森人読書 ジョニー・ザ・ラビット
■2007年(第4回)
 ◎ 佐藤多佳子 『一瞬の風になれ』◇
 2 森見登美彦  『夜は短し歩けよ乙女』◇
 3 三浦しをん 『風が強く吹いている』
 4 伊坂幸太郎 『終末のフール』
 5 有川浩 『図書館戦争』◇
 6 万城目学  『鴨川ホルモー』◇
 7 小川洋子  『ミーナの行進』◇
 8 劇団ひとり 『陰日向に咲く』
 9 三崎亜記 『失われた町』
10 宮部みゆき  『名もなき毒』◇

11 伊坂幸太郎 『砂漠』
12 小路幸也  『東京バンドワゴン』◇
13 津原泰水 『ブラバン』
14 大崎梢 『配達あかずきん』
15 伊坂幸太郎 『少女七竈と七人の可愛そうな大人』
16 海堂尊  『チーム・バチスタの栄光』◇
17 乙一  『銃とチョコレート』◇
17 奥田英朗 『ガール』
19 恩田陸 『チョコレートコスモス』
20 森見登美彦  『きつねのはなし』◇
21 米澤穂信 『ボトルネック』
21 北村薫 『ひとがた流し』
23 東野圭吾  『赤い指』◇
24 奥田英朗 『町長選挙』
24 浅田次郎 『中原の虹』
26 薬丸岳 『闇の底』
27 平山夢明  『独白するユニバーサル横メルカトル』◇
28 川上弘美 『真鶴』
29 山本弘  『アイの物語』◇
29 西加奈子 『きいろいゾウ』
29 中村航 『絶対、最強の恋のうた』
■2006年(第3回)
 ◎ リリー・フランキー 『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
 2 奥田英朗  『サウスバウンド』◇
 3 伊坂幸太郎  『死神の精度』◇
 4 東野圭吾  『容疑者Xの献身』◇
 5 重松清  『その日のまえに』◇
 6 島本理生  『ナラタージュ』◇
 7 町田康  『告白』◇
 8 古川日出男  『ベルカ、吠えないのか?』◇
 9 桂望実  『県庁の星』◇
10 西加奈子 『さくら』
11 伊坂幸太郎  『魔王』◇

12 三崎亜記  『となり町戦争』◇
13 村上龍 『半島を出よ』
13 山田詠美 『風味絶佳』
15 豊島ミホ 『檸檬のころ』
16 恒川光太郎  『夜市』◇
17 村上春樹 『東京奇譚集』◇
18 重松清 『きみの友だち』
18 川上弘美 『古道具 中野商店』
20 梨木香歩  『沼地のある森を抜けて』◇
21 森絵都 『いつかパラソルの下で』
22 絲山秋子 『ニート』
23 中村航 『100回泣くこと』
24 長嶋有 『泣かない女はいない』
24 瀬尾まいこ 『優しい音楽』
26 藤原伊織 『シリウスの道』
26 池上永一  『シャングリ・ラ』◇
28 宮部みゆき 『孤宿の人』
29 横山秀夫 『震度0』
30 堀江敏幸 『河岸忘日抄』

■2005年(第2回)
 ◎ 恩田陸  『夜のピクニック』◇
 2 荻原浩 『明日の記憶』
 3 梨木香歩 『家守綺譚』◇
 4 絲山秋子  『袋小路の男』◇
 5 伊坂幸太郎 『チルドレン』◇
 6 角田光代 『対岸の彼女』
 7 雫井脩介  『犯人に告ぐ』◇
 8 飯嶋和一  『黄金旅風』◇
 9 三浦しをん  『私が語りはじめた彼は』◇
10 市川拓司 『そのときは彼によろしく』

11 本多孝好 『真夜中の五分前』
12 伊坂幸太郎 『グラスホッパー』◇
13 瀬尾まいこ 『幸福な食卓』
14 乾くるみ  『イニシエーション・ラブ』◇
14 舞城王太郎 『好き好き大好き超愛してる。』
16 原りょう 『愚か者死すべし』
16 奥田英朗 『空中ブランコ』◇
18 有川浩 『空の中』
19 矢作俊彦 『ロング・グッドバイ』
20 瀬尾まいこ 『図書館の神様』
20 朔立木 『死亡推定時刻』
22 森見登美彦  『太陽の塔』◇
23 梨木香歩 『村田エフェンディ滞土録』
24 笹生陽子  『ぼくは悪党になりたい』◇
24 高野和明 『幽霊人命救助隊』
26 村上春樹 『アフター・ダーク』
26 笙野頼子 『金毘羅』
26 打海文三 『裸者と裸者』
29 桂望美 『ボーイズ・ビー』
29 瀬尾まいこ 『天国はまだ遠く』
■2004年(第1回)
 ◎ 小川洋子  『博士の愛した数式』◇
 2 横山秀夫  『クライマーズ・ハイ』◇
 3 伊坂幸太郎  『アヒルと鴨のコインロッカー』◇
 4 森絵都  『永遠の出口』◇
 5 伊坂幸太郎  『重力ピエロ』◇
 6 石田衣良 『4TEEN』
 7 よしもとばなな  『デッドエンドの思い出』◇
 8 福井晴敏  『終戦のローレライ』◇
 9 京極夏彦 『陰摩羅鬼の瑕』
10 矢作俊彦 『ららら科學の子』

11 市川拓司 『いま、会いにゆきます』
12 桐野夏生 『グロテスク』
12 歌野晶午  『葉桜の季節に君を想うということ』◇
14 綿矢りさ  『蹴りたい背中』◇
14 重松清 『疾走』
16 舞城王太郎 『阿修羅ガール』
16 乙一 『ZOO』
18 伊坂幸太郎 『陽気なギャングが地球を回す』
19 村山由佳 『星々の舟』
20 金城一紀 『FRY,DADDY,FRY』

★★★★★

著者:  ジーン・ウルフ
出版社: 国書刊行会

  〈物語の設定〉 双子惑星サント・クロアとサント・アンヌでは、地球から移住してきた人類が繁栄しています。そして、かつてサント・アンヌに住んでいた原住民は人類によって駆逐され、滅亡したことになっています。ですが、原住民を見かけたという噂は絶えません。学者の中には、何にでも変身できる原住民は人類ととって代わり、人類を滅ぼしてしまったのだという人もいるのですが・・・ 3つの中篇によって構成されています。『ケルベロス第五の首』『『ある物語』ジョン・V・マーシュ作』『V.R.T.』収録。

  『ケルベロス第五の首』
  物語の舞台は、奴隷売買で栄える惑星惑星サント・クロワの中の一都市ポール・ミミゾンにある娼館「犬の家」。少年の回想です。かつて、少年は家庭教師ミスター・ミリオン、弟デイヴィットとともに「犬の家」で生活しています。他にも父と叔母ジーニーが住んでいるのですが顔を合わせることはありませんでした。ある日、父に呼ばれ、ナンバーファイブという名前を与えられ、様々なことを問われるようになります。それと前後して、少年は弟とともに、美しい少女フィードリアと出会い、演劇の公演を行うようになります。

  『『ある物語』ジョン・V・マーシュ作』
  マーシュが採集し、書き記した「アボ」の伝説が綴られています。物語の舞台はサント・アンヌ。「揺れるスギの枝」は「東の風(ジョン・イーストウィンド)」と「砂歩き(ジョン・サンドウォーカー)」を産みます。「東の風」は川に誘拐されてしまいます。ですが、「砂歩き」はたくましく成長していき・・・

  『V.R.T.』
  囚人143号はなぜか逮捕され、監獄に閉じ込められてしまいます。物語は、囚人143号の手記や日記、彼を尋問したときの記録などを読み続ける取調官の視点から綴られています。少しカフカっぽいです。

  SF小説。

  非常に魅力的な小説。まず、細部が素晴らしいです。とくに、『『ある物語』ジョン・V・マーシュ作』は面白いです。伝説や神話のような壮大さが感じられるし、それでいて謎に満ちているのです。

  何を書いてもネタバレになりそうだけど、ネタバレはありえない気もします。なぜならば謎解きが存在しないからです。『V.R.T.』は自分殺しの物語ではないか、という推測は成り立つけれど、それが正しいのか判定することは出来ません。自分とは何か、記憶とは何か、歴史とは何か、様々なことを考えさせられます。


自森人読書 ケルベロス第五の首
『よつばと!』面白い・・・

いま、最初の方から、読み直しています。

そういえば、『よつばと!』を読んでいて、なんとなく保坂和志の小説を思い出しますが、似ているということはできるのか・・・

よく分からないです。
★★★★

著者:  オマル・ハイヤーム 陳舜臣
出版社: 集英社

  『ルバイヤート』とは、ペルシャの詩人オマル・ハイヤームの四行詩集のこと。第二次世界大戦中、著者である陳舜臣はそれを手放さず、何度も繰り返し読み、自分の手で翻訳していたそうです。それをまとめたのが、この陳舜臣訳『ルバイヤート』。

  詳細な註解と解説がついています。とくに解説が素晴らしいです。

  オマル・ハイヤームは著名な数学者・天文学者・詩人。陳舜臣は「自由思想家」と読んでいますが、当時彼ほど近代的な合理主義者は世界にいなかったようです。初めて三次方程式の解法を体系化し、非常に正確なジャラリー暦を発明。

  しかし、勤勉な人というわけではないみたいです。『ルバイヤート』を読んでいると、現代人の感覚とさほど変わらないものが見られます。彼は、神を疑い、イスラーム教を疑い、死が待ちうけている未来を直視しても意味はないし、世界は不可知であるから諦めるしかないと言います。そして、もう今を楽しみ、酒を飲むしかないと嘆くのです。再三にわたって酒が登場します。

  四行詩は絶句とも似通っている部分があると陳舜臣は指摘していますが、確かに似ているかも知れません。四行で終わるところ、脚韻を踏んでいるところ、簡潔なところが一致します。そういえば、やたらと酒が登場するところも同じです(意味合いは異なりますが)。

  読んでいて、陳舜臣は凄い人だと改めて感じました。彼は台湾の人。1924年に神戸で生まれ、大学ではヒンディー語とペルシャ語を学び、戦後日本でミステリ作家としてデビュー。その後中国の歴史小説を発表し、一つのジャンルを形成。彼が、日本語で小説を書いてくれることに感謝しないとならないのかも。


自森人読書 ルバイヤート
現在、VIEW エネルギーシフト学生ネットワーク ブログのほうにごちゃごちゃといろいろなことを書いている最中。

しかし、写真・イラストなどがなくて、なんというか、あんまりぱっとしないか・・・

とりあえず、ウェブサイトのほうを完成させなければ、とこの前からやたらと書いている最中なのですが、なかなか完成しないです。


http://sisou.pazru.com/
★★★★★

著者:  アゴタ・クリストフ
出版社: 早川書房

  物語の舞台は、第二次世界大戦末期のヨーロッパの田舎町。祖母のもとに双子をつれた母親が現れます。祖母は受け取りを拒否するのですが、母親は双子を置いて去っていきました。祖母は臭くて粗野でその上偏狭な性格でした。しかも祖父を毒殺したと思われたため周囲からは魔女と呼ばれます。ですが、そんな祖母のもとで、双子は一心同体となって残酷な世界を生き抜いていきます。彼らは溢れる苦痛や死、虐めに対してストイックに立ち向かいますが・・・

  第二次世界大戦を描いた小説。アゴタ・クリストフのデビュー作。

  双子の日記ということになっています。事実のみが淡々と記されているため描写は簡潔。そして、細切れです。読みやすいです。

  感情は綴られていないし、固有名詞はほとんど登場しません。しかし、だからこそ普遍的なのかも知れません。グロテスクな戦争というものが明確に活写されています。敵だろうと味方だろうと軍隊と言う物は略奪と強姦を繰り返すという事実が生々しいです。また、ホロコーストについてもさっくりと描かれています。ユダヤ人の人たちはどこへ連行されていったのか、周囲の人は実感をもって受け止めることが出来なかったのかも知れない、と感じます。

  様々な汚れもしっかりと記されているところが印象的。寓話的なのに、不思議なほど人間味があります。

  主人公である、双子は決して離れ離れになることはありません。彼らは二人で一人なのです。だからこそ、独特の論理を突き通し、異様な事態に対処できるのではないか。徹底的に冷たいです。様々な感情を殺していくことでしか戦争という事態を受け止めることはできないのかも知れない、とも感じます。

  醜さから隔絶された哲人のような双子を生み出した著者アゴタ・クリストフは凄い人だ、と感じました。ハンガリーから西側へと亡命してきてフランス語を学び、小説を書き始めたそうですが、母語ではない言葉を用いて小説を書くのは難しいだろうなぁ。


自森人読書 悪童日記
VIEW エネルギーシフト学生ネットワークのツイッターを開設しました。
@view0001です。

これからどこまで広がっていくのか。
楽しみです。

@view0001
560タイムスリップ・コンビナート
★★★ 笙野頼子

559
★★ 中村文則

558ア・ルース・ボーイ
★★★ 佐伯一麦

557十字屋敷のピエロ
★★ 東野圭吾

556アンブロークンアロー-戦闘妖精・雪風
★★★★★ 神林長平
現在、VIEW エネルギーシフト学生ネットワーク ブログのほうにごちゃごちゃといろいろなことを書いている最中。

しかし、写真・イラストなどがなくて、なんというか、あんまりぱっとしないか・・・

とりあえず、ウェブサイトのほうを完成させなければ、とこの前からやたらと書いている最中なのですが、なかなか完成しないです。

http://sisou.pazru.com/
★★★

著者:  笙野頼子
出版社: 講談社

  『タイムスリップ・コンビナート』は笙野頼子の短編集。『タイムスリップ・コンビナート』『下落合の向こう』『シビレル夢ノ水』収録。

  『タイムスリップ・コンビナート』
  去年の夏頃の話。マグロ恋愛する夢を見て悩んでいたら、いきなり電話がかかわってきて、どこかへいけ、と言われます。そして話している内に海芝浦へ行くことになるのですが・・・ 芥川賞受賞作。

  『下落合の向こう』
  電車に乗っていないとき、私は考えています。電車に乗っている間中私たちの時間は盗まれているのと。そればかりか知覚は捻じ曲げられ、ありもしない幻想を見せられていると。夢とも現実ともつかない電車の中での体験。

  『シビレル夢ノ水』
  家の中に入ってきた猫を拾ったのに実は飼い主がいたと発覚し、その猫を返した途端に精神が変なことになってしまいます。そして蚤が巨大化を始め・・・ グロテスクで、一番印象的。

  現代における現実や私とは何なのか考えさせられます。

  笙野頼子の小説は奇妙です。時には現実的な話の時もあるけど、基本的にはグロテスクな悪夢のようだし、おとぎ話のようです。奇想が詰め込まれてるのです。とはいえ、それは決して童話のように濾過されたものではないため綺麗ではないし、純粋でもありません。むしろ様々な物が詰め込まれ、接合されています。非常に気持ち悪いです。だけど、その感覚が堪らなく面白い。

  迷走し、浮遊しつつ、ここまで私や今というものについて、必死で考えようとしている文章はないような気もします。


自森人読書 タイムスリップ・コンビナート
★★

著者:  中村文則
出版社: 新潮社

  私は銃を拾います。そして、その美しさに魅せられていきます。友人とともに女をひっかけ、セックスし、日々を過ごしていますが、どうしても銃が気になります。死を身近に感じさせてくれるからです。最終的に銃を手に取ろうとするのですが・・・

  いかにも純文学っぽい古風な作品。

  私を何十回繰り返したら気が済むのか。淡々としていてシンプルだけど精神を逆撫でするような文章には疲れました。典型的な悪文ではないか、と感じましたが、著者は狙ってやっているのかも知れません。あえてレベルの低い文章を書いて、読者を苛立たせようとしているのではないか。

  作品の構成自体はありきたり。空虚な暗闇のようなものを抱え込んでいるどうしようもない男が、どうしようもない日々の中で銃へと向かっていくというだけの物語。読んでいるだけで陰鬱な気分になるし、疲れてきますが、面白くないことはないです。

  とくに、どうしようもない主人公が良いです。

  ただし、全体的にはやはり古風すぎてつまらない気もします。銃というものをテーマに据え、その上タイトルにまでしてしまうところがいかにも鈍重に感じられるし。ある意味では、「純文学」というもののお手本みたいな感じではあるかも知れない。

  第34回新潮新人賞受賞作。中村文則のデビュー作。


自森人読書 銃
「<脱原発>50年の経済影響なし 東京大准教授試算」

毎日新聞より


2050年に「脱原発」を実現した場合の国内の経済影響はほとんどないとの試算を、茂木源人(げんと)・東京大准教授(社会戦略工学)がまとめた。太陽光パネルをすべて国内で生産し、未利用の土地を活用することなどの条件が前提で、実現には政府の姿勢が鍵になりそうだ。

 試算は電力会社の依頼を受け実施した。

 現在、日本の電源は原発約3割、火力約6割、太陽光を含むその他が約1割。試算では、太陽光パネルの寿命は20年で、発電量は年率1%で劣化するとした。50年までの電力需要を考慮し、(1)原発を段階的に廃止し、その分を太陽光が代替する(2)原発はそのままで、太陽光が普及していく分、火力を減らす(3)原発はそのままで、太陽光は住宅への普及限度の1000万戸まで増え、その分の火力が減る--の3ケースで分析した。

 その結果、50年の国内総生産(GDP)は、(1)536兆円(2)533兆7000億円(3)536兆1000億円で、ほぼ同レベルになった。

 この理由を、(1)と(2)で太陽光パネル製造や設置費など40年間で162兆8000億円が投入され、製造工場などで雇用が生まれるためと説明している。

 東日本大震災前の原発の平均発電量を得るには、1万平方キロの設置面積が必要だが、現存の耕作放棄地などを活用すれば可能という。

 一方、電力料金については、20年代半ばに1キロワット時あたり0・6円上がるが、大量生産が実現する30年に元に戻ると分析した。

 茂木准教授は「当初の太陽光発電のコストは他電源より高いが、国内ですべて生産すれば経済の足を引っ張ることはない」と話す。【藤野基文】

面白そうな企画・・・


3.11の震災後、日本の経済・社会の在り方が問い直されている。
今後の政策決定を政府など一部の人たちに委ねてはいられない。
私たちの住む環境は、私たちで考えてつくっていく必要がある。
2回に渡るシンポジウムを通して、私たちの住む地域の経済・社会をどうしていくかみんなで考えていきたい。

...7月16日(土) 第1回 「羽の生えた社会へ」
~地域で職・エネルギーを循環する経済・社会づくり~
講演 倉阪秀史教授(千葉大)
パネルディスカッション

7月23日(土) 第2回 「ローカリゼーション」
~環境・人・地域にやさしい経済~
「幸せな経済学」(ヘレナ監督作)上映
http://www.shiawaseno.net/
パネルディスカッション 講師 西野教授(地域政策学部)、他高崎経済大学の講師

時間:午後2時から5時(1時45分開場)
場所:高崎経済大学 7号館4階

参加対象:学生、教師、一般市民など誰でも参加可能
連絡先:world_become_peace_peace_peace2@yahoo.co.jp
「民主党の安住国会対策委員長は、宮城県石巻市で記者会見し、今年度の第3次補正予算案は10兆円を超える規模になるという見通しを示すとともに、集落の高台移転を進めるための土地の造成などに対する、被災地の自治体への新たな財政支援の仕組みを設けたいという考えを示しました」そうですが・・・

なんというか、高台移転というのはどうなのだろうか、と感じないでもないです。
新しい開発は、困難な作業になることは目に見えています。壮大な環境破壊になる気もします・・・

住んでいる人たちは、その土地から離れたくないと思うのかも知れませんが・・・
★★★

著者:  佐伯一麦
出版社: 新潮社

  斉木鮮は、英語教員に「ア・ルース・フィッシュ(だらしのないやつ)」だと非難されます。それは決して褒め言葉ではありませんでした。ですが、looseは「自由な」という意味も併せ持っていました。その言葉に勇気付けられた鮮は、教師を殴って進学校を中退。そして、赤子を抱えた元彼女・幹のもとへと赴き、彼女との生活を始めます。赤子を梢子と名付け、アルバイトに精を出すのですが・・・

  成長の物語。

  さっくりとしていますが、なかなかに面白いです。主人公は、母親との不和を引きずり続け、苦悩します。ですが、彼は幹、梢子と生活するうちに成長していき、最終的に幹とセックスすることでトラウマから脱出します。悩みは基本的に淡白なもののように感じられるし、ラストは随分と安易な気もします。けど、だからこそ、『ア・ルース・ボーイ』という作品は現代的なのかも知れません。

  真摯な主人公は全くうじうじせず、淡々と苦境を乗り越えていきます。少しも大仰ではなく、気負いもなく、それでいてまっすぐ。

  私小説なのに、客観的な視点から書かれている気もします。だから、妙にあっさりとした印象を受けるのかも知れません。

  新聞配達などのアルバイトについて綴られている部分が面白かったです。

  山田詠美の解説も面白いです。ただし、山田詠美の小説はそれほど好きではないし、彼女が褒めている佐伯一麦の小説にも感心はしなかったのですが・・・

  第4回三島由紀夫賞受賞作。


自森人読書 ア・ルース・ボーイ
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